クライマックスのカーアクション自体も凄いが、銃撃に備えて本で脱出用の車を覆うのは、暴力に対してあくまで理性、国際法のルールによって守られる象徴という意味もあるのだろう。
子供がオモチャ感覚で本物の小銃を振り回す怖さが凄まじい。
韓国の大使館員が(たぶん)テコンドーの型をやると、現地のソマリア人タクシー運転手が、「ブルース·リー!」とヘタなカンフーの真似をする。ありそうな話。
ハードな内容でも前半は結構ベタな笑いを入れてくるのは最近の韓国映画では普通みたい。
韓国大使役のキム・ユンソクが二枚目のチョ・インソンに対して三の線という組み合わせになっている。
ホ·ジュノの北朝鮮の大使がはじめ悪役がかった役として出てきて、圧倒的な暴力が支配する世界ではさすがにビビり、最終的に韓国の大使と信頼関係を作るまでに至るプロセスを演じる、さすがの振り幅。
北の外交官は家族を一人平壌に残すというのは、つまり人質ということだろう。
北と南とが対立しながら食卓を囲むシーン、毒など入れてないぞというのを示すために相手のを交換して食べるのが、食べ物をシェアして親交をふかめる図に自然に移行する。食べ物関連の名シーンがまたひとつ生まれた。