予告編でやたら怒鳴り芝居が目立ったのと、日本人が中国の話をやるのは今みたいに中国の存在感が大きくなっている時代に成立するのかといった危惧が色々あったけれど、実物見たらおおむね払拭されていた。
バブル期製作の「敦煌」みたいに人馬の大群が入り乱れる先例があるわけだが(中国が舞台ではないが「天と地と」もそう)、デジタル技術が発達して、たとえば戦車など実際に走れるのは二台しかなかったらしいのがすごくたくさんあるように見えたりして、それも含めて画面処理の演出もスケールアップしている。
今回はほぼ最初から最後まで戦闘シーンで通していて、まとまりがいい。
今の中国だったらこの何倍もの製作費をかけた大作作れるだろうけれど、こういう英雄たちが割拠して張り合う一種素朴にエキサイティングな図というのをできるのかどうか。
入場時に原作マンガのネーム(下書き)や撮影裏話を掲載した小冊子が配られているのがいい。
山崎賢人のアクションは必ずしも厳密に振りつけられたものではなく相当に即興的に暴れたのを周囲が受けているというのはキャラクターに合っている。
それだけ技術陣の底上げもあるのだろう。
清野菜名のアクションもキレがあって初めから戦うためだけに育てられた感じに見える。