ストックホルム·シンドロームと呼ばれる監禁された者と監禁した者が奇妙に親密になってしまう心理状態の語源になった事件の映画化。
銀行強盗がズサンで間抜けで逃げ遅れたところを包囲され、行員たちを人質にして立てこもるとなると、シチュエーションとしたら「狼たちの午後」そのまんまで、そうなるとそこに駆けつけた警官たちと野次馬とメディアの相関図がそのまんま社会の縮図になる鮮やかさ、人間たちのズッコケ芝居ぶりのおかしさ、各キャラクターの関係性の面白さといったスケール感がいちいち少しずつ下がる感じになるノオミ·ラパスの行員がドラマにすると対立しっぱなししている方が疲れるから仲良くとまではいかなくてもこなれて狎れるのは自然なことに思える。