列車が舞台となると映画的な直線構成にぴったりのはずなのだが、不細工で説明的なフラッシュバックがはさまったりして、動いたと思ったら止まってしまうみたいで、どうも流れが悪い。
伊坂幸太郎的にバラバラに見えたかなり複雑な要素がラストでぴしっとジグソーパズルのようにはまる快感も薄い。エンドタイトルが出てきてからのあれが気が利いていたくらい。
コロナもあって実際の日本で撮っているカットは一つもないらしいし、それ自体は別に構わない、というかもっと思いきってヘンテコな日本を出してくれた方が笑えたと思う。
東京五輪2020のキャラクターなんて出されると不愉快。エンドタイトル注視したのだが、あれに関する権利関係については特に出てこなかったのではないか。
真田広之がさすがに立ち回りとなると見事なものだけれど、出番があまりないのは残念。仕込み杖を使い納刀を丁寧に見せるとか、ちょっと座頭市を思わせたりする。