深作欣二監督で、千葉真一と高倉健の共演作。 と言っても 本格的な共演ではなく高倉健の登場は中盤以降の登場で、芝居の上で噛み合うところがそれほどない。千葉真一の主演作に高倉健がゲスト的につきあっているよう。
1966年、にんじんプロダクションと台湾の映画の國光影業との合作でかなりの部分台湾ロケが占めている。
にんじんプロダクションの前身にんじんくらぶはもともと久我美子・有馬稲子・岸惠子の三女優が五社協定縛られない出演をゆるやかに実現するために作られた会社で、そのうち本格的な映画製作、それも「人間の条件」のような規格外の大作に乗り出したが、1965年の「怪談」があまりに製作費がかかり過ぎて事実上倒産した翌1966年ににんじんプロダクションと看板をかけかえて海外(台湾の國光影業 )との合作に乗り出し、東映でなかなか自分の思うような映画が撮れないでいた深作欣二と組んで作ったのがこれ。
深作欣二の演出は相当に乱暴に本当に車やモーターボートを暴走させて撮っているのが主体。このあたりの無茶さ加減は海外ロケでも変わっていない。
千葉真一はかなりコミカルな調子でルパン的なキャラクターをやっている。
ただクライマックスの複葉機にしがみつく場面はかなりあからさまにトリックが目立つ。