ただ、その重ね方というのが原作が連載マンガだったせいなのか後から初めになかった設定を足していって急いですぐ回収するみたいで、ああそういうことだったのかと腑に落ちるには仕込みがいかにも足りない。
刑事の家の事情を描くのにいちいち回想シーンを使うというのも悪い癖。
画面に映っているのに盲点になっていた人物が実は犯人だとわかるシーンや、刑事たちが話している窓の外にひょいっとカエル男が現れ、突然ガラスにぶつかってくるシーンなど、あっと言わせるはずの展開が呼吸が悪くてなんだかもどかしい。
クライマックスがくどくて意味が曖昧なセリフのやりとりがえんえん続くのにも辟易した。わざわざ犯人が精神科医が俺を分析して俺に同情する奴が出てきてといった意味のことをくどくどしゃべるけれど、「8mm」の犯人が俺を分析しても何も出てこないとさらっと言うのに似ておよそ非なるスマートならざる処理。
ラストの「まだいるぞ」式の押しもルーティンで長たらしい上にいくつも重ねるってどんなものか。
ローリング式のエンドタイトルで監督の名前だけがぴたっと止まる日本映画って大抵ダサいと思う(小声)。
画面の色調や特殊メイク(犯人役を誰がやっているか、聞かなかかったらわからないところ)などは高度で期待させたのだが、あちこちちょっとづつ建付けが悪い。
(☆☆★★★)
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