文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

経営者も世間も呆れることばかり

2017-01-09 09:01:11 | オピニオン
 テレビを視ていると、どこかの飲食店の経営者が、バイト従業員に対して、「今後は大型連休中は休みの希望を通さない」旨の張り紙をしたことがネットで話題になっていることを報道していた。

 まずこの経営者の態度に呆れる。そもそもバイトとは、時給をもらって働いている時間以外は、店に対して何の責任もないはずだ。安い賃金で働いてくれて、ボーナスも退職金もない。店にとっては神様のような存在ではないだろうか。本来、大型連休に人を集めるのは経営者の責任だ。バイト従業員が休むから、店を開けないのなら、もっと賃金を払って、働いてくれる人を集めればよい。時給を2倍にすれば、働いてくれる人はいくらでもいると思うぞ。そしてそれが、資本主義、市場主義社会の大原則のはずであり、経営者の責任だということなのだ。

 従業員を拘束したいのなら、正社員を増やすべきだろう。普段は安い賃金という恩恵にあずかっておいて、都合のいい時は経営者の論理を振り回すというのは、なんとも見苦しい。もっとも、正社員にしたところで、有給を自由に取る権利はある。会社側には時季変更権しかないことは念のために付記しておこう。

 しかし、この放送、同時にリアルタイムで視聴者の投票をしていたのだが、呆れたことに7割が店に協力すべきだと答えていた。こんなことだから、日本の職場では、労働者同士で足を引っ張り合って、長時間労働がなかなか減らないというような状況が続いてしまうのだ。日本全体が、根本にに労働に対する考え方を変えない限り、ライフワークバランスというような言葉はむなしく聞こえてしまう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする