いけない!ルナ先生(1) (週刊少年マガジンコミックス) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
・上村純子
私らの世代でエッチな漫画といったら、まず思い浮かべるのは、永井豪の「ハレンチ学園」だろう。もちろんエロ漫画雑誌は別にして、普通の少年がアクセスできる作品としてはなんとも斬新だった。スカートめくりの流行の元凶としてお堅いPTAや教育委員会からやり玉に挙げられ、社会問題になっていたことを記憶している。
しかし、この作品を読んでぶっ飛んだ(笑)。これはもっと上を行くかもしれない。1986年から1988年にかけて「月刊少年マガジン」に連載されていた作品だという。主人公は神谷わたるという父と二人暮らしをしている中学二年生。父親が海外赴任することになったので、わたるの世話をしてもらうために、下宿人を入れることにした。やってきたのは葉月ルナという女子大二年生。美人でナイスバディ、わたるの通う塾の先生もしている。
わたるの母親が亡くなっていることを聞いて、しっかり面倒をみると父親と約束するルナ先生だが、その面倒のみ方が、ちょっと世間一般とはずれている。
わたるが風呂嫌いで、周りからクサいと言われているのを見たルナ先生、いじめられて自殺でもしたら大変とばかりいっしょに風呂に入ろうと誘って、あんなところやこんなところと、いろいろなところを洗いっこ。
分数を教えるのだって、着用中のブラとショーツの升目を塗らせて教え、答えはおっぱいの下に書いてあるからと持ち上げて確かめさせる。
わたるが新年会の劇で女装することになったと聞けば、下着の付け方を教えるからと、自分をモデルに着せかたを手ほどき。ブラをつけるさいには、しっかりつかんでカップの中にと、わたるに自分の胸を掴ませて、やらせてみるのである。
だから、乳揉みや、股間に顔をうずめたりするのは当たり前。いや、なんともうらやましい(笑)。わたるも小学生ではなく中二である。こんなことをしていれば、勢いで大人の階段を一気に駆け上がっても不思議はないのだが、そこはこれでも一応少年漫画だからそんなことはない。わたる君、いろいろ喜んでいるが、ずっと階段の下で足踏み状態。
絵がギャグ漫画よりなので、内容の割にはエロさを感じられないのだが、もしこれを今時の美少女を描くのが得意な漫画家が描いたらドエロ漫画になるだろう。
☆☆☆☆☆
※初出は「風竜胆の書評」です。