お金持ちのための最強の相続 | |
クリエーター情報なし | |
実務教育出版 |
・田中誠
皆さんは、相続税の基礎控除額が2015年1月1日から縮小されているのをご存じだろうか。それまでは、5000万円+法定相続人の数×1000万円までは相続税はかからなかった。ところが新制度ではこれが3000万円+法定相続人の数×600万円となっている。つまりそれまでは税金を払わなくても良かった人が沢山納税対象になってくるのである。
本書の主張は、相続とは相続する人とされる人とのチームワークであり、スムーズな相続を行うためには、戦略的に動いていかなければならないということだろう。つまり相続とは、駅伝においてタスキを次の走者に渡すようなものだというのだ。
しかし、税制というのは複雑なものだ。おまけにしょっちゅう変更されている。相続というのは、普通の人はそう何回も経験するものではないということもあり、なかなか敷居が高いものだろう。おまけに本書によれば、肝心の税理士にも、相続関係についてはそれほど詳しくはないものも結構いるらしいから困ってしまう。
ただ、制度の内容を知っているかどうかで、収めるべき相続税がかなり変わってくるようだ。私のような一般庶民から見ると、税金に詳しくないものからむしり取るような感じで、今の制度って本当に合理的なのかどうかという疑問が湧いてくるのだが。
我が家は、決してタイトルにあるような「お金持ち」ではないため、それほど考える必要はないのかもしれないが、本書の内容程度は、いざというときのために知っておいても損はないかもしれない。
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※初出は「本が好き!」です。