文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

波打ち際のむろみさん1

2017-02-07 11:08:57 | 書評:その他
波打際のむろみさん(1) (週刊少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社

・名島啓二


 これは相当ヘンなマンガだ。主役は人魚のむろみさん。釣り好きの少年・向島拓朗が釣りをしていると、むろみさんが針にかかってくる。このむろみさんなんとも食い意地が張っており、意地汚いのだ。ゴカイやミミズだけでなく、偽物と分かっているルアーにも食いついてくるくらいだ。この作品は、向島少年とむろみさんの繰り広げるコメディマンガである。

 このむろみさん、いったい何年生きているのか分からない。なにしろ、大昔の、クジラの先祖だとむろみさんが思っている者が元カレらしい。だから海生哺乳類が大嫌い。元寇の時に元の船が沈んだのもむろみさんが関係しているという。

 これだけ長く生きているくせに、とにかくアホなのだ。でも天真爛漫で、とっても可愛いのである。昔からしょっちゅう釣り上げられたり、網にかかったりしているようで、漁師さんたちの間でも人気者になっている。

 お友達の人魚のリヴィアさん(実はムー大陸を滅ぼしたリヴァイアサン)や河童の川端君、雪男のイェティ君(ただし性別不明)、ツチノコの宝満さんなど、出てくるUMAたちもとても面白い。

☆☆☆☆

※初出は「風竜胆の書評」です。
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あの娘はヤリマン1

2017-02-07 09:57:20 | 書評:その他
[まとめ買い] あの娘はヤリマン(ジャンプコミックスDIGITAL)
クリエーター情報なし
メーカー情報なし

・北内乙三

 主人公の端本真夜は、同じクラスの林冲美のことが好きだが、彼女には「ヤリマン」の噂が。噂を確かめに、彼女が夜ごと男をとっかえひっかえしているという神社に行ってみると、現れたのは「ヤリマン」ならぬ「槍マン」の冲美。

 つまり、このタイトルから不埒な想像をしてはいけないということだ。ここでいう「マン」とは、「ウルトラマン」とか「スーパーマン」の「マン」と同じ意味なのである。だからこの「ヤリマン」というのは「槍マン」。つまり「槍」を使って戦う人間という意味なのだ。彼女は、夜な夜な神社で槍を持って、敵と戦っていたのである。負ければ死あるのみという、こんなタイトルにも関わらずかなりシュールな設定だ。

 このマンガでは「○○マン」という変な人が次々に出てくる。例えば剣を使う「剣マン」、弓を使う「弓マン」、斧を使う「斧マン」といった具合だ。その中で一番強いのは伝説の「マン」と呼ばれている、武器を使わずに戦う「手マン」らしい。いや、このネーミングにはエロ要素は決してなく、あくまで素手で戦う人という意味だということは再度強調しておこう。しかしこのネーミング、さすがにこれは・・・。この「手マン」と冲美の間にはある因縁があった。彼女は「手マン」と戦うために、「最強マントーナメント」に出場する。

 ところでこの冲美、敵が油断しているところを後ろから突き刺したりして結構卑怯だ。しかし端本君も惚れた弱み、隣のクラスの「ヤリマン」門松多恵(実は彼女は悪代官と戦う「竹槍マン」なのだが、弱い)といっしょに、冲美の戦いに付きあうことになるのである。

 出てくる「○○マン」は、まるで某格闘技マンガに出てきそうな容貌をしているのだが、コスチュームは変態さん。出てきただけで笑ってしまいそうなのである。

 さて、冲美は無事にトーナメントを制して「手マン」と戦うことができるのか。冲美と端本の関係はどうなっていくのか。多恵は二人にどう関わってくるのか。おバカな設定なのだが、なかなか気になるマンガではある。

☆☆☆☆
※初出は「風竜胆の書評」です。

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