波打際のむろみさん(1) (週刊少年マガジンコミックス) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
・名島啓二
これは相当ヘンなマンガだ。主役は人魚のむろみさん。釣り好きの少年・向島拓朗が釣りをしていると、むろみさんが針にかかってくる。このむろみさんなんとも食い意地が張っており、意地汚いのだ。ゴカイやミミズだけでなく、偽物と分かっているルアーにも食いついてくるくらいだ。この作品は、向島少年とむろみさんの繰り広げるコメディマンガである。
このむろみさん、いったい何年生きているのか分からない。なにしろ、大昔の、クジラの先祖だとむろみさんが思っている者が元カレらしい。だから海生哺乳類が大嫌い。元寇の時に元の船が沈んだのもむろみさんが関係しているという。
これだけ長く生きているくせに、とにかくアホなのだ。でも天真爛漫で、とっても可愛いのである。昔からしょっちゅう釣り上げられたり、網にかかったりしているようで、漁師さんたちの間でも人気者になっている。
お友達の人魚のリヴィアさん(実はムー大陸を滅ぼしたリヴァイアサン)や河童の川端君、雪男のイェティ君(ただし性別不明)、ツチノコの宝満さんなど、出てくるUMAたちもとても面白い。
☆☆☆☆
※初出は「風竜胆の書評」です。