最初に一つ誤解があったことを報告したい。「赤毛」というから燃えるような色を想像していたのだが、本書に収録されている写真を見る限り、いわゆる「茶髪」の範疇に入っているように見えるものも多い。正直私にはどこまでが「茶髪」でどこからか「赤毛」なのかまるで区別がつかない(みんな茶髪に見える)のだが、どうやって区別しているんだろう。光の加減でなにかのときに赤く見えるのだろうか。本書にもキャロットやストロベリーブロンドと言ったものが出てくるので、赤毛にも色々種類があるようだが、インターネットで検索してみても私にはその差異がよく分からなかった。
さて、本書は自らも「赤毛」だという著者が、「赤毛」が、歴史の中でどのよう取り扱われていたかを纏めたものだ。今は大分流れが変わっているようだが、「赤毛」は昔のヨーロッパにおいては偏見と差別の象徴だった。男の赤毛は粗野の象徴。女の赤毛は性的なものと結びつけられた。血液型と同様、何の根拠もないのだが、人間とは、少しの差異を見つけて、差別したがるものだ。「赤毛」は、外見からもわかるので、差別しやすかったのだろう。
ただ、文化史と銘打っている本としては、分かり難い印象を受けた。
☆☆☆