文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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ぞっとする会社

2016-10-10 13:59:01 | オピニオン
 小学館が運営しているニュースサイト、「NEWSポストセブン」に、本日付ですごい会社の記事が掲載されていた。神奈川県横浜市の秋山木工という注文家具メーカーだそうだが、独自の「徒弟制度」で職人を育てているという。

 この会社では、1年間の「丁稚見習いコース」終了後に丁稚として正式採用されるという。丁稚という呼び方から、なんだかなあと思うのだが、採用されると待っているのは地獄の日々。

 全寮制で起床は朝5時。朝食を作って、1.5kmのランニング。朝食後は、工場や近所を掃除。8時には朝礼で「職人心得30箇条」なるものを全員で唱和して仕事開始。職人の仕事を手伝いながら仕事を覚えるのはいいが、就業後は夕食を作って、夕食後はレポート作成や自主練習。就寝時間は23時だという。つまり確保できる睡眠時間は6時間。休日なしで、修業から解放されるのは盆と正月の10日間のみらしい。こうなるともう、「労基法ってなあに?それって食べれるの?」といった世界だろう。どこかの新興宗教かとも思ってしまう。

 会社のルールもすごい。入社後は丸坊主。女子も丁稚1年目は丸刈りだそうだ。恋愛が発覚したら即刻クビだとも。いまどき、このような時代錯誤な考えの会社があることに驚いた。記事は、この会社に好意的な書き方だが、私ならこんなところは絶対にごめんだ。

 我が国では、一部でこのような風潮をもてはやす向きもいるように思う。何でもかんでも手取り足取り面倒みるということにも反対だが、こういったアナクロニズムもぞっとする。やはり何事も中庸に勝るものはないということか。

(10月11日追記)
 上の記事でリンクしている「NEWSポストセブン」記事が削除されていた。ネット上では、あまりのアナクロぶりに、ブラック企業だと炎上していたようだが、おそらくその関係だろう。人の価値観はそれぞれだとしても、法治国家である以上、それなりのルールはあるはずだ。それが分かっていないのだろうか。

 記事の方も、炎上したから削除という態度はどうか?それなりの信念があって書いたのならどうどうと反論すべきだろう。反論もせずに記事を削除したということは、全面的に非を認めたということだろうか。こういったところにもマスゴミの無責任さを垣間見るような気がする。書く以上は、きちんとした信念に基づいた記事を書いて欲しいものだ。
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