文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

リッキー台風1,2

2023-07-10 15:25:22 | 書評:その他

 

 

 これはまだプロレスが超メジャーだったころのお話。日本プロレス界の父・力王岩(モデルは力道山なのは明らか。他は実名なのだが、ここだけ匿名になっているのは、力王岩は生涯独身を貫いたと言う設定なのに対して、実際の力道山には子がいるので、そのあたりを配慮したのだと推測)の忘れ形見のリッキー大和は、日本にやってきて、予定にはなかったが、ひょんなことから留学することになる。カール・ゴッチの弟子と言う設定のナルシス・シュトラウスが日本の高校に留学するというので、リッキーも手元に置くよりライバルのいる日本で暮らすのもいいだろうと、師のルー・テーズが思ったからだ。

 ルー・テーズやカール・ゴッチというプロレスの2台巨頭が出てくるので(馬場、猪木だけでなく、この御両人も既に鬼籍に入っているが)、オールドプロレスファンにはこたえられないのではないだろうか。もちろん馬場も猪木も出てくるが、馬場はいつも葉巻を加えているし、猪木は、見かけがオネエキャラである。まあ、昔はそんなイメージだったんだろうな。

 それにしても、なんやねん「私立戦国高校」って。こんな高校絶対に認可はおりんぞ! 校長はちょっとアレだし、将軍や四天王って、ただの不良やん。少年刑務所へぶち込めよと思うのだが、昭和の時代は、こんなテイストの番長ものが多かったなあ。

☆☆☆☆

 

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釣りとごはんと、恋は凪 1,2

2023-07-08 10:36:18 | 書評:その他

 

 

 主人公は蒲山ユキと言う大学生。会社員の隆くんという彼氏持ち。隆くんは釣り好き。彼氏が釣りに行くのだが、「ユキには無理だろう」といって連れて行ってくれないので、「釣りくらい私だって」と一人で釣り船に乗ったのだが、なかなか釣れない。その船の中で知り合った釣りに詳しいお姉さん(内海さんというらしい。青くんと言う釣り好きの高校生の弟がいる。)。彼女のことを「カバちゃん」と呼ぶ。実はこの呼び方は、ユキちゃんはあまり好きではないのだが、お姉さんは全く気にしていない。

 それでも最後にキスの大物を釣り上げ、内海さんからもキスを沢山もらい、隆くんといっしょに色々なキス料理を食べる。そうユキちゃんは食いしん坊の料理上手なのだ。ついでにビールも大好き。これをきっかけに色々な魚などが登場する。

 実は隆君の名字は小澤と言い、内海さんの会社の後輩なのだが、この1,2巻では、まだそのことはバレていない。(別に秘密にしているわけではないのだがすれ違いが続いている)

 この作品の内容を一言で表せば、釣り初心者のユキちゃんがどんどん釣りに嵌っていく物語だろう。このユキちゃんがとっても可愛らしいのだ。特に美味しいものを食べて、幸せそうな顔を見せるとき。こんな彼女といっしょに同じ趣味を持てるんだったら楽しいだろうと思う。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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悪役令嬢の兄に転生しました

2023-07-06 10:36:04 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 主人公は、エルグランダークはエルグランダーク公爵家の長男。実は転生者で、前世の記憶持ち。

 前世は、昼は外回り中心のアラサー営業サラリーマンだったが、大のゲーム好き。なにしろ、定時に帰れて、土日はしっかり休めるけど薄給のホワイト企業に就職した理由が、ゲームをプレイする時間を確保するためなのだ。そして、夜は、再生数そこそこの、ゲーム実況系You Tuberに早変わり。

 その趣味が高じて、連日の徹夜とエナジードリンクがぶ飲みで体に無理が来たようだ。仮眠しようとして目をつむったところで前世の記憶は終わっている。多分この時にお亡くなりになり、異世界に転生したのだろう。

 さて、カインが3歳のときに妹が生まれる。そのとき、この世界が前世で死ぬ間際まで配信に向けて編集していた「アンリミテッド魔法学園~愛に限界はありません!~」(ド魔学)の世界であることに気が付く。いわゆる乙女ゲームの世界である。そして妹のディアーナはゲームでは悪役令嬢。

 ところがカインは、妹の愛らしさにメロメロ。もう溺愛と言っていいほど。しかし、ゲームの世界では悪役令嬢には、バッドエンドしか待ち構えていない。カインは、妹がバッドエンドを迎えるルートをつぶしていく。

 もはやオリジナルのゲームシナリオは見る影もないが、それでも、カインはディアーナを破滅から守ろうとする。とにかくカインの、シスコンぶりがなんとも面白いのだ。果たしてカインは妹を悪役令嬢ではない優しい女の子に育てられるのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋

2023-07-04 08:56:29 | 書評:ビジネス

 


 CEOやCOOなどC〇Oという言葉を聞くことが多いが、CFOというのは、Chief Financial Officerの略で、日本語では最高財務責任者と呼ばれる。著者は三菱フィナンシャル・グループ(MUFG)やニコンでCFOを務めた人で、本書にはそのエッセンスが詰まっている。

 日本企業の財務担当者というと保守的な者が多いというイメージが強い。「石橋を叩いて渡る」という言葉がある。慎重なことは良いことのように思われるが、慎重すぎて石橋を叩き壊しては意味がない。そうやるときはやるという心構えが必要なのだ。本書ではそれを「アニマルスピリッツ」という言葉で読んでいる。この「アニマルスピリッツ」というのはかってケインズが使った言葉で、「実現したいことに対する非合理的なまでの期待と熱意」(p2)のことである。これをうまく引き出すのが経営者の役目だと言う。

 残念ながら、日本の企業の役員は平社員から成り上がってきたものが多い。社長と言えども、新入社員時代は下積みを経験しているのだ。だから現場主体の戦術的なものには強くても、本来経営者に求められる戦略的な視点が十分でない場合が多い。これではどうしても保守的になり、アニマルスピリッツなどは持ちようがない。トップがそうなのだから、部下にアニマルスピリッツを持てと言うこと自体が無理なのだ。

本書では著者が過去にCFOをやっていたMUFGや現CFOであるニコンでの例が示されている。本書で紹介されているMUFGの例は衝撃的だろう。なんと連結利益の7割弱が海外企業から来ているのだ(pp94-95)。国内利益は3分の1強にすぎないという。そしてその多くの部分が米国モルガン。スタンレーに対する投資からのものだ。これは、例のリーマンショックの際に、MUFGが90億ドルの小切手を渡したことによるようだ。これなどもアニマルスピリッツのいい例だろう。 国内では、バカな超低金利政策の長期化により、疲弊している企業が多い。もう国内にこだわっていては、発展は望めないのだ。そして、ニコンでは、経営再建に力を入れて、ミラーレスデジカメラの中高級種に経営資源を集中し、業界最高水準のミラーレスカメラの市場投入という課題をやり遂げた。

 もちろん財務・経理は、企業にとっては重要だが、それだけで企業が回るわけではない。特にメーカーなどは、画期的な製品を開発すれば、ものすごく大きな強みになる。要するに財務。経理の部門と技術開発をする部門は車の両輪なのだ。いくらニコンのCFOががんばっても、技術部門の頑張りがない限りは絶対に目標を達成できないだろう。そのことを忘れてはいけない。逆もまた真なりで、幾ら技術部門がいい製品を作っても、財務・経理部門の適切な後押しがなくては成功はおぼつかないのだ。ニコンでは、専門的な技能を持つ人材や管理職の年収を最大2割上げたり、新卒作用に加えてキャリア採用も実施している。私のいた会社は典型的な事務系優遇で、技術系に比べ事務系の方が数年も昇進が早かった。こういうことを是正していかないと、優秀な人材はいつかないだろう。その気になれば本書から学べることは沢山ある。日本企業の経営層にはぜひとも読んで欲しいものだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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不遇職【人形遣い】の成り上がり 美少女人形と最強まで最高速で上りつめる(1)

2023-07-02 11:06:54 | 書評:その他

 

 本書は、言うなれば、なろう系異世界不遇職成り上がりストーリーとでも言おうか。作品世界では不遇職と思われているものが、実はものすごいスキル持ちで全然不遇職ではなかったというもの。

 主人公はアイクと言う青年。そして、彼の遣う美少女人形フレア。10歳のときに、職業が人形遣いと言うことを告げられたらしい。人形遣いというのは、人形を操る職業である。他の人形遣いは、人形を道具のように扱うのだが、彼は人形をものすごく大事にしていた。

 ノード率いる勇者パーティでは、案の定アイクは碌な扱いをされていない。大体この手の話に出てくる勇者は、誰が選んだよとツッコミたくなるほど、クズが多い(たまにまともな勇者が出てくる話もあるが。どうもこの世界では女神に選ばれるらしい。その女神さま、目は節穴かい?)。この作品も、その例に漏れない。
 
 セプティム大迷宮を探求していたときのこと。ノードのせいでパーティは転移魔方陣の罠にかかり、3階層から5階層のボス部屋に飛ばされる。そのボスというのがミノタウロスで今のパーティの実力では絶対にかなわない。ノードたちが秒で逃げ出すのだが、その際石橋を破壊して追ってくるミノタウロスをアイクもろとも下に落とそうとしたのだ。

 フレアといっしょに落ちるアイクだが、その途中で彼の能力が進化する。人形遣いと字はいっしょだが、「ドール・オペレーター」から「フィギア・マスター」になったらしい。(違いが良く分からないが) それにともない、フレアにも自分の意思が宿り、完全自立型に進化する。

 この作品の見どころは二つだろう。アイクの能力がどのように進化していくのか。そして、ノードはどんなざまあ的な結果になるのかということ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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