晴れ、24度、86%
私は、インドに観光や休暇で訪れたことがありません。ニュデリーの北チャンディガでのお店のオープンパーティー、コルカタでの領事館主催の天皇誕生日のパーティーなど家人の仕事がらみの旅ばかりです。今回の旅の目的、クライアントのお嬢さんのインド古典舞踊のデビューを見ることでした。
会場は、ニュデリーの中心部インターナショナル カルチャーセンター。なんと200人近い方が見えました。
演じるのは、タンビちゃん。彼女がまだ7、8歳の頃から、こちらのお宅とはお付き合いがあります。今年、16歳になったタンビちゃん。この古典舞踊、バラタナティアムを習い始めて6年目です。インドも、たくさんの民族がいます。バラタナティアムはインドの南タミール地方の踊りです。1時間近くの踊りをすべて一人でこなします。踊りと言っても、ストーリーがあって、フルート、打楽器に歌い手がタミール語で物語を語ります。
インドでは、話す言葉も各州によって違います。この歌のタミール語は、ニュデリーの方達には解らないそうです。そこで、踊りの間に英語で物語のあらましが語られました。おかげで、私たちにも理解できます。あとで聞いた話ですが、タミール語は元がサンスクリット語で、すばらしくきれいな言語だそうです。演目は一つ、タンビちゃんが、このバラタナティアムで大きくステップアップしたことのお披露目です。観光では、決して見ることのできないすばらしい体験でした。7時前に始まった舞台に続き、星空の下でのビュッフェパーティーです。お料理は、すべてインド料理、取り立てていうほどの料理ではありませんでした。それに、たくさんの方達と挨拶を交わしながらです、お腹のどこに入ったかも覚えていません。タンビちゃん、メイクのおかげですっかり女性ぽく見えますが、素顔は可愛い16歳です。
インドも、古典舞踊の継承者が少なくなっていると、年配の方が心配しています。タンビちゃん、この踊りの道を進むと思いきや、ファッションデザイナーになるのが夢だそうです。ご自宅には、タンビちゃんの絵がいっぱい飾られています。我が家にも6年ほど前の彼女の絵があるほどです。
集まった女性は、皆色とりどりのサリーに身を包んでいました。今回ほど、着物を着ていてよかったと思ったことはありません。やはり、自国の民族衣装は大事です。それにしても、隣に座った家人は、踊りに飽きてしまって、お腹がずいぶん空いていたようです。