曇り、26度、80%
香港には、街の至る所にチャーシュー、鶏、鴨、アヒルをローストしたものを売っているチャーシューやさんがあります。てんこもりにしたご飯の上に、これらを一種類でも何種類でものせて、ネギしょうが油やたれをかけて食べる、香港ならではの超ファーストフードです。もちろん、この焼き肉だけを、お酒の肴ににすることもできます。鴨で有名な店、鶏で有名な店と高級店から町中の店、値段の差こそあるものの、味は差してはずれのない地元の食べ物です。その上、結婚式などの広東料理のフルコースのはじめにも、オードブルとして盛り合わせが出ます。コールドミートの香港版です。私も、香港に来た初めの頃は、はまってしまい、白切鶏、チャーシューをよく食べたものでした。
一年中、どの店も同じ種類の鳥がローストされ丸のままぶら下がっています。ところが、寒くなり始めると、チャーシュー屋さんの店先に、小さな鳥のローストがぶら下がりました。すずめです。どこの店でも作っているわけではないようで、私が知っているのは、香港島トンローワンの一軒だけでした。
12羽いくらで売られて、竹のくしに12羽がぶら下がっていました。小さなすずめを食べる気になりません。ただ、眺める分にはユーモラスです。食べた方に聞くと、頭から全部食べれて美味しいとのこと。そのうち、すずめのロースト、冬になっても姿を見なくなりました。
14、5年ぶりに あら、お久しぶり。行儀よく並んでいます。でも、もう竹串ではありません。アルミのピカピカな串に勢揃いです。
12羽で60ドル。600円ほどです。私がこうして写真を撮っていると、香港人の女性が、これは何?と尋ねます。地元の人でも知らないのです。すずめよ、と教えると、彼女も携帯で写真を撮っていました。いくら美味しいと聞いても、食べることはできません。この、可愛い勢揃いを、見せてもらうだけで十分です。