小雨、18度、86%
1975年に、初めての先進国首脳会談がフランスのランブイエ城で行われたそうです。そのときの参加国は6カ国。その際の晩餐に使われたのが、このジアンのランブイエシリーズです。
ランブイエ城の近くに、棲息する野生の動物、その動物を猟する犬達が描かれた、手書きの器です。
しばらくは、市販されていなかったとのこと、私が、この皿を香港で求めたのは1990年代のことです。
香港島セントラルのプリンスビルディング、返還前はたくさんの食器を扱う店がありました。イギリス人の女性が経営する店に、木箱に入って6枚の皿がありました。直径15センチほどのパン皿です。値段が6枚セットでも、とても高い。その上、3枚にはひびや、欠けまであります。女性の話で、手書きの上、大きな会議の晩餐に使われたものだと知りました。と言っても、欠けたものまでいりません。状態の良い3枚だけ売ってくれるように、掛け合いました。返還前です、商品を売りつくしたいので、なかなか首を縦に振ってくれませんでした。でも、結局、3枚は私のものに。
裏のマークから、製造されたのは1984年から1989年の間。この頃のマークは。すっきりされすぎず素敵です。
その店が閉まる前に見つけたのが、 この灰皿です。家人の会社の机の上にと思い、求めました。陶器ですから、ポッテリとして、暖かみがあります。
先進国首脳会議の折には、これらの皿にシビエ料理がのせられたそうです。手書きなので、一枚一枚が微妙に違います。10年ほど前に、同じセントラルのプリンスビルディングに、香港人の女性が経営するフランスの食器を扱う店がオープンしました。ジアンを香港人に受け入れてもらうにはずいぶん努力したようです。今では、新作もすぐに店頭に並びます。
4、5年前、冬のセールの頃です。このランブイエシリーズが、セールで出ていました。ほかのシリーズは売れるのに、ランブイエはいつまでも売れ残っています。セールといっても、まだ値段が高いのです。もう、我が家の食器棚はいっぱい。プリンスビルディングに行くたび、お店に寄せてもらい、皿達を眺めていました。もし、次に出会えたら、楕円の大皿だけは欲しいなと思っています。