晴れ、20度、63%
匂い袋と名のつくものは、全て好きです。着物の畳紙を開けたときの匂いに始まって、茶箱を開けたときの匂いも。そうした馴染んで来た匂いは、中国伝来の日本独自の匂いです。小さな錦の茶巾袋も、子供心にもきれいに見えました。
私が、大学の為に上京したのは1970年代半ば。もう35年以上も前です。当時の、銀座のソニープラザは、舶来ものの宝庫でした。ステイショナリ−から生活雑貨まで、見るもの全てが新鮮でした。主にアメリカのものが多かったように記憶しています。
そんな中見つけたのが、このラベンダーの匂い袋です。ラベンダーなんて、まだ、知っている人も少なかった頃です。私だって、初めての匂いでした。中には、ラベンダーの花の乾燥したものが入ったいるのでしょう、外からでも、その感触があります。35年以上ずっと、私のタンスにぶら下がっています。一度も中を入れ替えたことがないのに、まだかすかに、ラベンダーの香りがします。
角が少し茶色に変色していますが、リボンの色も服の色も買ったときのようにきれいなラベンダー色です。ラベンダー防虫作用もあるそうです。もしかしたら、変色を防ぐ作用があるのかもしれません。10センチほどのラベンダーのお姉ちゃん、こんなものがタンスにぶら下がっていること、家人もご存知ありません。初めて、私以外の人にお披露目です。