曇、28度、80%
昨日も午前中は雨が降りました。雨上がり、窓を開けると若い蝉の声がします。
この家の庭はたくさんの蝉が眠っています。庭作りで大きな石を動かすとまだ眠っている蝉の幼虫を見ることがしばしばです。そっと枯れ草の下に動かしてやります。家の改築とともに庭も大きな手を加えました。大きな木を3本以上切りました。造園屋さんから聞いた話では、クレーン車が2度も入ったそうです。木は切られ、蹲の大きな石も動かされました。庭にいる者たちはびっくりしたことと思います。だって、母は10年以上も植木屋さんすら頼んでいません。庭の木も生き物たちもみんな好き勝手、生きたいように生きていたはずです。
十日前より、庭の地面のそこかしこにまん丸い2センチほどの穴を見つけます。 近くの草木を見ると必ずそこには蝉の抜け殻を見つけます。 アマリリスの葉裏に見つけた蝉の抜け殻です。この写真には3匹の抜け殻が写っています。大抵、蝉が殻を脱ぐのは夜半から明け方で、よほど難儀しない限りは人目につかずに脱ぎ終えます。殻を脱いだ蝉は、抜け殻のそばにしばらくじっとして羽が乾き、うねっていた羽が真っ直ぐになる頃には飛び立ちます。 手前がが殻を脱いだ直後の蝉です。夏が進むと蝉の種類も大きさも違ってきます。
香港にいた頃は蝉の鳴き始めるのを待ちました。早い時は三月の下旬には蝉が鳴き始めます。ところが蝉の抜け殻を見ることは稀です。蝉の抜け殻は出産直後のお母さんの身体に良いと漢方では煎じ薬に入れられます。日本の蝉よりも体が大きく鳴き方が不器用な香港の蝉たちです。
いよいよ、福岡も蝉の季節に入りました。我が家の今年の蝉たちは、庭の大幅な手入れの最中にはもうすでにこの庭で眠っていた蝉たちです。早くに殻を脱いだ蝉は長雨ですぐに死んでしまったものも数います。殻を脱ぐのに苦労しているとアリの大群に襲われることもあります。私が眠っている間にも庭は、自然は動いています。昨日の午後西に向けて車を走らせました。雨上がりです。蝉の声を聞きたくてトップを全開で走らせました。見出し写真は、洋種山牛蒡の緑の実に見つけた蝉の抜け殻です。