雨、8度、92%
見た目が真っ黒な「カヌレ」というフランス菓子を初めて食べたのは随分以前のことです。確かフランスのお土産でした。恐る恐る口に運ぶと、見た目とは裏腹に面白い食感、外のカリカリと中のもっちり、しっかり甘いのに後を引きます。
フランスボルドーの古いお菓子だそうです。銅の溝がついた型で焼き上げるのだとか、種を流して焼けばいいのなら簡単です。早速、「カヌレ」の菓子型を探しました。銅製、しかもその頃はフランスのものしかありませんでした。つまりとてもお高い「カヌレ型」でした。断念していただき物の「カヌレ」を食べていました。先日、神戸の美味しい「カヌレ」を頂戴しました。帰国以来初の「カヌレ」でした。「やっぱり、美味しい!」再び「カヌレ熱」がむくむく。型を探します。さすが日本です、日本製の銅の「カヌレ型」を見つけました。しかも、フランスのものより小さいサイズまであります。お値段も随分とお安い。早速求めました。
種を流し込んで焼くだけなのに、うまく焼くには難しそうです。港町ボルドーに集まるというジャマイカのラム、マダガスカルのバニラ、フランスのバターで種を仕込みました。 型に入れて高温で1時間も焼きます。久しぶりに緊張した1時間でした。初めて焼くのですから失敗してもいいのですが、できればうまく焼けて欲しいと、幾度もオーブンを覗き込みました。生地が浮き上がる、焼けても型からうまく型から外れないなどなど、心配します。10個とも見事な色付きでオーブンから出てきました。溝もしっかりついて型からポロリ。
外側カリカリです。いや、本当に緊張しました。「おいしい。」
こちらが今回の立役者、銅製の「カヌレ型」です。長年の夢だった「カヌレをお家で焼く」です。焼き上がりを口に頬張って、やっと緊張もほぐれました。