チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

銅のフライパンのこと 義母との話

2023年06月10日 | 義母とのこと

晴、21度、90%

 一昨日、料理研究家「桧山タミ台所展」へ行きました。たくさん並んだ銅鍋の中に義母から譲り受けた「銅のフライパン」と同じ物が展示されていました。桧山タミさんが考案して地元の金物屋が作っているものです。市販されているものの入手困難な品だとわかりました。「義母はどうやって、この銅のフライパンを手に入れたのかな?」

 昨日は1週間ぶりに義母を施設に尋ねました。もちろん、「銅のフライパン」のことを聞いてみるつもりでした。ひと月ほど前に手首をひどく打撲して、痛みから口もきけず、力なくなっていた義母ですが、持ち前の気丈さからすっかり元気になりました。目の輝きが元に戻りました。言葉がはっきりして来ました。そして笑うようになりました。

 昨日はお風呂の日、お風呂上げりの義母はやや高揚気味でした。ロビーから私が車椅子を押して3階の自室に連れて行きました。昨日の手土産は「バナナ」「お麦茶」「小さく切ったお羊羹」です。最近菓子類を欲しなくなっていますが、小さく切った羊羹を見ると手を出しました。「しめしめ。」お風呂上がりでお腹が空いたのでしょう、幾つも口に運びます。 「ねえ、お母さん、銅のフライパン、どこで買ったの?」「どう?」「銅のフライパン?」「なにそれ?」やっぱり思っていた通り忘れてしまっています。混乱させてはいけないので、話をやめました。

 昼食時間が迫っていたので長居できません。義母の羊羹を食べる様子に「ねえ、鰻食べたくない?」と尋ねました。義母の大好物です。昨年は「もう鰻はいらん。」と言っていましたが尋ねてみました。目がいたずらっぽく笑いました。「食べる!」やったと内心喜ぶ私。「今度来る時に2切れ、持って来るね。たくさんは食べれないもんね。」

 「銅のフライパン」が義母の手元にあった経緯はわかりませんでした。でも、元気にお羊羹を食べる義母、久しぶりに鰻を食べたいというう義母、よく笑うようになった義母、私も本当に嬉しい。

  桧山タミさん考案のこのフライパン、銅製ですから使うたびに変色します。使い終わるとまず、ゴシゴシ。「料理が冷めるなぁ。」ゴシゴシ。大事に使わないと、ゴシゴシ。私の台所に引っ越して来て、ふた月目です。鰻に喜ぶ義母を想像しながら、ゴシゴシ。


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