曇、10度、58%
スーパーで売られている「昆布の佃煮」は昆布の値段からすると安いと感じます。一度買いました。袋から出すとツヤツヤに光っています。「美味しそう。」口いっぱいに食べました。「甘い、醤油辛い。」昆布の持つ甘さや塩っぱさではありません。裏書きには「水飴」や保存料のカタカナが並んでいました。
乾燥した昆布をしゃぶると滑り、旨味を感じます。旨味には甘さも塩っぱさも含まれています。子供の頃、「小倉屋」の昆布の佃煮の詰め合わせが必ずどこからか届きました。木箱に小く仕切りがあり、そのひと枠ごとに丹念に作られた「昆布の佃煮」が入っていました。食べたいのですが親に「子供の食べ物ではない」と止められました。親のいないときに盗み食いしました。箱の真ん中には「えびすめ」という塩吹き昆布が入っています。この昆布だけはあまり美味しいとは思いませんでした。40代に入った頃、やっとこの「えびすめ」の美味しさに寝覚めました。主人が日本に帰る度、「小倉屋」の昆布の袋入りをお土産に買って来てくれました。「えびすめ」を暖かなご飯い埋め込んでしばらく待ちます。ご飯を掘ると周りには昆布の美味しさがしみ込んでいます。品のない食べ方ですが、いつもこうして食べています。そして「子供の食べ物でない」と親の言った言葉を思い出します。まさにその通りです。
私の背より長い「羅臼昆布」を何本も蓄えています。お出汁を取るためです。その「羅臼昆布」を「えびすめ」を思い浮かべながら丁寧に正方形に切りました。「昆布の佃煮」を作ります。
鍋には昆布とお酒、みりんが半々。しばらくして香りが立ち始めて、「山椒の実」を入れました。庭の紫蘇はもう種になっています。ひと月早ければ「紫蘇昆布」でした。艶が出てきた頃、ほんのちょっぴり濃口醤油を落とします。
身の厚い「羅臼昆布」を噛み締めます。滋味深く「美味しい」の一言です。ご飯と一緒もいいのですが、濃く入れた緑茶とおやつにします。「羅臼昆布」一本作りました。 小壺に入れて、大事に食べます。
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