秋の永平寺
2015-10-31 | 旅
福井県にある永平寺に行った。
行く年来る年、大晦日から元旦にかけて、除夜の鐘が鳴る様子がテレビで放映されているのは、このお寺らしい。
秋の永平寺は、なんとも言えない風情があった。
770年前に道元さんによって開かれたお寺。
日常の生活そのものが修行だそうだ。
廊下に設置してあった木製の「ゴミ箱」には、「護美箱」と深みのある筆致で書かれていた。
伽藍の隅々まで、見事なまでに、丹誠込めて磨きこまれ、
凛とした木の美しさを味わった。
大広間の美しい天井を見て、ある人がこう言った。
「わあ、イタリアのドームみたい!」
そう、歓声をあげたのが、若い子ならまだしも、分別盛りの熟年シニア女性だったので、
あなた、海外旅行も結構だけど、日本人として、それ、順番が違うんじゃない?
と、わたしは、こころのなかで苦笑い。
旅自慢にも聞こえ、なんだか恥ずかしかった。
日本には、まだまだ素敵なところが、いっぱいある。
しみじみ、秋の深さを満喫した一日だった。