夜な夜なシネマ

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『blank13』

2018年03月04日 | 映画(は行)
『blank13』
監督:齊藤工
出演:高橋一生,松岡茉優,斎藤工,神野三鈴,大西利空,北藤遼,織本順吉,
   川瀬陽太,神戸浩,村上淳,佐藤二朗,リリー・フランキー他

斎藤工が“齊藤工”名義で長編監督デビュー。
好奇心のみで観に行ったら、思いのほか良かった。
大阪ステーションシティシネマにて。

松田家の兄弟、ヨシユキ(斎藤工)とコウジ(高橋一生)の父親、
雅人(リリー・フランキー)が亡くなる。
葬儀の日、受付に立つコウジの恋人サオリ(松岡茉優)。
すぐ近くの寺でも同じ松田という人の葬儀がおこなわれているらしく、
会場をまちがえてやってくる弔問客多数。
向こうにはぞくぞくと、こちらを訪れる人はほとんどいない。
「人間としての格の違いを見せつけられているみたいだな」とつぶやくヨシユキ。

13年前、雅人は妻の洋子(神野三鈴)と息子たちを残して失踪した。
ギャンブルに明け暮れて多額の借金をつくり、
ようやく取り立ての男たちが帰った後、タバコを買いに行くと言い残して。

以後、洋子は朝に新聞配達、晩に水商売と働きつづけ、息子たちを育て上げた。
貧窮に苦しみながらも子どもたちは成長。まっとうな仕事に就いている。

そんなある日、雅人が余命3カ月で入院していることをヨシユキが突き止める。
しかし洋子とヨシユキはどうしても雅人を許すことができず、見舞いを拒否。
行かないと言いつつもなんとなく雅人の病室を訪ねるコウジだったが……。

上映時間70分と短め。
前半では主に13年前が映し出され、後半では葬儀の参列者が故人との思い出を語ります。

ろくでなしだったはずの父親は、本当にろくでなしだったのか。
許せない、大嫌いだと思っていた父親。
なかなか気持ちの整理をつけられない兄弟、そして妻の思いが、丁寧に描かれています。
交友関係の広さを駆使してか、榊英雄監督や、
波岡一喜金子ノブアキといった癖のある役者たちも顔を見せていて楽しい。
たまにウザい(笑)佐藤二朗、そのウザさが本作ではとてもよかった。

やるやん、斎藤工。そう思える作品でした。
若干腕フェチの私、高橋一生の腕を顔から想像するとつるつるっぽいのに、
意外と毛深くてビックリしました。ギャランドゥやったりする!?

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