夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ダウンサイズ』

2018年03月12日 | 映画(た行)
『ダウンサイズ』(原題:Downsizing)
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:マット・デイモン,クリストフ・ヴァルツ,ホン・チャウ,ロルフ・ラスゴード,
   イングヤルド・エッジバーグ,ウド・キア,クリステン・ウィグ他

TOHOシネマズ梅田にて。
端だと超観にくいシアター4の後方中央付近の席に座りました。

私にとってアレクサンダー・ペイン監督といえば『サイドウェイ』(2004)。
同作の出演女優サンドラ・オーと結婚した折り(その後離婚)、
へ~、こういう顔立ちが好きなのかと思ったものですが、
本作に起用されたホン・チャウを見て、
やっぱりこの監督はアジア系の顔立ちが好きにちがいないと思いました(笑)。

予告編を観るかぎりではサクッと終わりそうなコメディなのに、
上映時間135分とはずいぶん長い。観て納得、意外に重い。
しかしポスターには「小さなったら、お好み焼きいっぱい食べれる、と思っとったのに」。
ギャップありすぎやしませんか。(^^;

過密化する人口のせいで、環境問題や食糧問題が深刻化。
それを解決しようと研究を重ねた結果、
人間を14分の1の大きさに縮小する画期的技術が発明される。
発明者のアスビョルンセン医師は自ら縮小化の被験者となり、副作用がないことを証明。
縮小化希望者に手術を施すと、縮小者のみが暮らすコミュニティ“レジャーランド”を築く。

作業療法士のポールは、妻オードリーと新居購入を検討中だが、
少ない頭金では住宅ローン審査を通らない。
ちょうどその頃、同窓会で縮小化した元同級生に会い、いかに素晴らしいことかを聞く。
小さくなれば、小さな家でかまわないから安く買える。
食糧も今より少なくて済み、現在の貯蓄額で一生安泰。
ポールとオードリーは縮小化を決意、手術に臨む。

男女別室で手術を受け、縮小化された後に夫婦対面のはず。
ところがいつまで経ってもオードリーが現れない。
彼女は手術直前に意を翻し、縮小化を取りやめたのだ。

夫婦仲睦まじくレジャーランドで暮らすはずが、ポール独り。
しかも縮小化に当たって州を移動したため、
レジャーランドでは作業療法士の免許が無効で、同じ仕事はできない。
気力を失ったポールは毎日をただやり過ごすだけ。

もう何にも心乱されることなく静かに暮らしていたいのに、
上階の陽気なセルビア人男性ドゥシャンが毎夜パーティーでドンチャン騒ぎ。
苦情を言いに行っても上手くあしらわれるばかりで、
馬鹿らしくなったポールは、ある晩誘われるままにパーティーに参加。

泥酔して目覚めると翌朝。
ドゥシャンの部屋の掃除にやってきたベトナム人女性ノク・ランと知り合う。
反体制活動家の彼女は、収監されていた刑務所から逃げてきたらしい。
ドゥシャンはそれも承知のうえで彼女を雇っていて……。

コメディだと思っていたら笑えるシーンはあまり無し。
ノク・ランと知り合ってからは、彼女のペースに巻き込まれっぱなしで、
彼女のズケズケした物言いがすごく可笑しい。
色恋沙汰にはなりそうにもない展開が、えっ、そうなるの!?

このところのクリストフ・ヴァルツは嫌な役が多かったけれど、
ドゥシャン役は変人ならが面白さが際立つ役でピッタリ。
顔が怖いウド・キアと仕事上のパートナー役で、面白さ2倍。

環境破壊が進んで人類滅亡の危機があと百年に迫ったとして、
ノアの方舟に乗り込んで人類を救う道を選ぶか、
それとも目の前にいる人といま生きることを大切にするか。

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