夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『去年の冬、きみと別れ』

2018年03月19日 | 映画(か行)
『去年の冬、きみと別れ』
監督:瀧本智行
出演:岩田剛典,山本美月,斎藤工,浅見れいな,土村芳,北村一輝他

出町柳まで行って3本ハシゴした次の日、
近場で2本ハシゴと思ったけれど、ダンナが車を使用。
仕方がないので電車で伊丹まで行ったら、だいぶ不便。
っちゅうても、道路の渋滞などを考えると、
車に比べて何倍も時間がかかるというわけでもなく、
電車で本を読めるからこれもいいのでしょうか。

そんなわけで、TOHOシネマズ伊丹にて。

原作は芥川賞作家・中村文則の同名小説。
読んだのは2年前のことで、読み終わって「へっ!?」となったのはよく覚えています。
しかし詳細はほとんど覚えておらず、もう一度読み直してから観ることも考えましたが、
同じ本を何度も読むよりは未読の本に時間を割きたくて再読せず。
映画の惹き文句が「あなたは何度でも騙される」みたいな感じだし、
はいはい、また騙されますよ、てな心意気で観に行きました。
そうしたら、映画版はなんてわかりやすいだ~!

フリーライターの耶雲恭介(岩田剛典)が、出版社にある企画を持ち込む。
それは、天才カメラマンと評される木原坂雄大(斎藤工)への密着取材。
木原坂は、写真のモデルを務めていた吉岡亜希子(土村芳)を監禁、
焼死させたとして逮捕されたが、事故と認められて無罪が確定したばかり。
だが、耶雲はそれを木原坂による殺人と考え、
本人に取材して真相を明らかにしたうえで本を出版したいらしい。

編集者の小林良樹(北村一輝)は色よい返事をしないが、編集長はやたら乗り気。
せめてモノになりそうかどうかわかるまでつきあってやれと小林に言う。
仕方なく、耶雲につきあうことになった小林。
耶雲は木原坂に取材を申し込み、木原坂の自宅スタジオに出入りするように。

一方、耶雲には結婚を控える婚約者・松田百合子(山本美月)がいた。
木原坂の件に没頭する耶雲は、百合子と会うときも心ここにあらず。
寂しさを感じる百合子に木原坂が接触を図るのだが……。

原作を読んだとき、何度も頁を繰り直しました。
何度かそれを繰り返し、一応全部理解したつもりに。
けれども考えれば考えるほど、自分の考えで合っているのだろうかと心配になり、
ええい、もうその辺でいいやと思ったものでした。

そんな私に、そして私と同じように思ったというアナタに。
この映画版は、1から10までどころか、12ぐらいまで説明してくれています(笑)。
説明しすぎて余韻が吹っ飛び、ええんかいなと思わんこともない。
でも、ガンちゃん目当ての客を呼び込むなら、
このぐらいわかりやすくてスッキリできるほうがいいのでしょう。
芥川賞作家の作品なのに、直木賞作家の作品を映画化したみたいな印象。

登場人物全員ゆがんでいます。
この人たち、これからどうなっちゃうんだろう。余計なお世話かしらん。

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