夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ウイスキーと2人の花嫁』

2018年03月07日 | 映画(あ行)
『ウイスキーと2人の花嫁』(原題:Whisky Galore)
監督:ギリーズ・マッキノン
出演:グレゴール・フィッシャー,エディ・イザード,ショーン・ビガースタッフ,
   ナオミ・バトリック,ケヴィン・ガスリー,エリー・ケンドリック他

前述の『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』のエンドロールが回りはじめ、
ジジババたちは帰るときもわれ先になのだろうかと思っていたら、
意外や意外、場内点灯するまで立とうとする人がほぼいない。
暗い中を歩いて転んだりしたら大変だという意識はあるのか。ええこっちゃ。

さて、テアトル梅田へ移動。本作の公開をとても楽しみにしていました。
『グレーテスト・ショーマン』のモデルが実在の人と知ったときは驚きましたが、
本作も実話が基。こんな人情喜劇が本当にあった話だなんて。
当の村人たちにとっては喜劇だなんて笑っていられなくて、悲壮感満載だったかも。(^^;

第二次世界大戦中
スコットランド沖に浮かぶ小さな島、トディー島。
島民たちにとってなくてはならないもの、それはウイスキー
なのに戦局の悪化に伴い、ウイスキーの配給が止まってしまうことに。
悲嘆する島民たちはすっかり元気をなくし、島全体に陰鬱な空気が立ちこめる。

島の郵便局長ジョセフは、妻に先立たれてから娘2人を育ててきた。
年頃になった長女ペギーと次女カトリーンには、それぞれ結婚を約束している恋人がいる。
ペギーはオッド軍曹と、カトリーンは小学校教師のジョージとつきあっているが、
ジョセフはなかなか良い顔をしないし、ジョージの母親は結婚に断固反対。

そんな折り、島の近くで貨物船の座礁事故が発生。
今にも沈没しそうな船の乗組員を救出した島民たちは、
積荷がアメリカへ運ぶはずだったウイスキーだと知る。
その量、なんと5万ケース。どうせウイスキーは船と共に沈む運命。
ならば我々が頂戴してしまおうと策を練るのだが……。

ウイスキーは島民の「命の水」って、そない大げさな。(^^;
しかしそれがまんざら嘘でもないような印象を受けるほど、
島民たちがウイスキーに向ける愛情はデカい。

結婚を決めたカップルは婚約パーティーを開くのがならわしだそうで、
しかもそこに絶対必須なのがウイスキー。
娘たちの結婚を許す気になれないジョセフも、
ウイスキーが飲めるようになるなら致し方ないと言うわけです。
みんなウイスキーを早く運び出したくてたまらないのに、
牧師がひと言「安息日だぞ」と言うと我慢するのが可笑しい。
子どもたちも手旗信号で合図、すごく頼りになる協力者。

閉鎖的な島で暮らすのはどうだろうと思いますけれど、
あくまで映画の話だと割り切ったうえで、
それでもこの島なら楽しいのかもと思わずにいられません。

とっても良い作品です。
確実にウイスキーが飲みたくなりますから、どうぞご用意を。

〈追記〉ウイスキー好きのお兄様から教えていただきました。
    「ゲール語でウシュクベ=命の水。これがウイスキーの語源です」。
    うおっ、そやったんか。ありがとうございます。(^^)

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