夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『リメンバー・ミー』

2018年03月23日 | 映画(ら行)
『リメンバー・ミー』(原題:Coco)
監督:リー・アンクリッチ
声の出演:アンソニー・ゴンサレス,ガエル・ガルシア・ベルナル,ベンジャミン・ブラット,
     アラナ・ユーバック,レニー・ヴィクター,ハイメ・カミル他

予告編のみならず、ずいぶん前から劇場でかかっていた本作のテーマ曲。
日本語バージョンの歌詞を覚えてしまうほど耳にしたけれど、
アニメといえども洋画は字幕で観たいです。
その願い叶って、TOHOシネマズ梅田の小さめシアター6、字幕版にありつきました。
上映開始数分経つまで、スーツ姿の男女がズラリ後方に並んでいて物々しい雰囲気。
話題作の封切り日にたまに見る光景、あれは配給会社の社員さんなのでしょうか。

博物館に勤めているものですから、メキシコの骸骨人形はよく見ます。
だけど「死者の日」がどんな祭礼行事なのかはあまり知らないままでした。
こんななんだなぁと思うと楽しくて。

少年ミゲル・リヴェラの家では、楽器を演奏することはおろか音楽を聴くことも絶対禁止。
というのも、ミゲルの高祖父(=曾祖父の父親)に当たる男が妻子を捨てて音楽家になったから。
残された高祖母は苦境にもめげず、靴をつくる技術を身につけて靴屋を開いた。
だからリヴェラ家では憎き男が走った音楽を絶対に許さず、代々靴屋を継いできたのだ。

しかしミゲルは音楽が大好き。
音楽家になる夢をあきらめられず、屋根裏部屋でこっそりギターを弾いている。
この町の出身で早逝した偉大な音楽家エルネスト・デラクルスに憧れながら。

伝統的な祭礼行事「死者の日」で盛り上がる町。
広場で開かれる音楽のコンテストにミゲルは出場しようとするが、
家族全員から反対され、怒った祖母にギターを叩き壊されてしまう。
出場者の誰かからギターを借りようとするが無理。
そこでエルネストの遺品であるギターを拝借しようとしたところ、死者の世界に迷い込む。

死者の世界には高祖母をはじめとする骸骨姿の先祖たちがいた。
先祖の誰かから許しを得ることができれば、ミゲルは元の世界へ戻ることができる。
ところが高祖母たちは、許す条件として音楽の禁止を言い渡す。
そんな条件は飲みたくなくて、ほかの手段を考えるミゲルは、
陽気で孤独な骸骨ヘクターと知り合って……。

原題の“Coco”は、認知症の始まっている曾祖母の名前。
ミゲルが話しかけてもほとんど反応しない彼女の名前がどうしてタイトルなのかと思ったら、
なるほど、そういうことですか。

あまりに派手な宣伝は『空海』と通じるところもあり、
たいしたことないんじゃないの?と思っていたら、これは見かけ倒しじゃなかった(笑)。
メキシコの人形とか毛糸絵は毒々しい色のものが多いと
博物館の標本資料を見て思っていましたが、本作ではその色合いが見事なまでに美しい。

歌い手を変えて何度か登場する主題歌『リメンバー・ミー』。
それぞれに違う想いが込められていて、涙なしでは聴けないバージョンも。

メキシコとの間に壁を築こうとしているトランプ大統領
それでいいの?

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