夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『こどもしょくどう』

2019年05月03日 | 映画(か行)
『こどもしょくどう』
監督:日向寺太郎
出演:藤本哉汰,鈴木梨央,浅川蓮,古川凛,田中千空,
   降谷建志,石田ひかり,常盤貴子,吉岡秀隆他
 
GW中、ダンナはタイへ出張のため、私は酒盛り三昧です。
関空へ行くダンナをリムジンバス乗り場まで送ったあと、
ひとつめの飲み会前に映画を3本。その1本目。
 
テアトルグループのメンバーズカードをつくったときにもらった割引券。
有効期限はまだずいぶん先だけど、何も割引のない日に使いたい。
祝日の月曜日だったから、この日の鑑賞料金はメンバー料金の1,300円。
そこから300円割引してもらえる券を使うべしとテアトル梅田へ向かいました。
 
上映開始10分前に到着したら、なんと満席で立ち見ですと。
立ち見で映画を観たのなんていつ以来か。
記憶にあるのは相米慎二監督の『風花』(2001)。
その前は友だちと観た『銀河鉄道999』(1979)かも!?
もう若くないから立ち見なんて避けたかったけれど、しゃあないし。
 
小学5年生のユウト(藤本哉汰)の両親(吉岡秀隆常盤貴子)は、
大衆食堂「あづま家」を営んでいる。
同級生のタカシ(浅川蓮)が母親の育児放棄に遭っているのを心配し、
ユウトの両親がふるまう夕食を共にとるのが日課。
 
ある日、ユウトはスーパーで万引きしている少女を見かける。
彼女は河原に駐めた車の中で生活しているとおぼしきミチル(鈴木梨央)。
母親の姿は見えず、ミチルとその妹ヒカル(古川凛)はたいていふたりきり。
たまに父親(降谷建志)が一緒にいるが、姉妹は学校に通う様子もなければ、
着ているものはいつも同じ、ろくに食べていないらしい。
 
ユウトは両親におかわりをせがむと、それをこっそりと折に詰め、
タカシに姉妹のところまで持って行かせるように。
それでもまだまだお腹を空かせている姉妹をついには家に連れ帰り、
両親に彼女たちにも食事を出してほしいと頼む。
ミチルは遠慮がちなものの、まだ幼いヒカルは大喜びで、
ユウトの妹ミサ(田中千空)にもすっかりなつく。
 
その数日後、河原に集まった不良たちに車を潰されたのをきっかけに、
姉妹の父親が車にまったく戻ってこなくなり……。

子ども6人のうち1人が貧困状態にあるそうです。
「こども食堂」はそのような貧困対策として、
子どもには無料もしくは数百円で食事が提供される場。
地域のコミュニティの場としての役割も果たすようになり、
さまざまな運営形態で全国に広がって行きました。
 
なんらかの事情で食事にありつけない子どもたち。
いつか親が帰ってくると信じ、ほかの誰かを頼ろうなんて考えすら思い浮かばない。
そんな子どもを見かけたとき、私たちはどうするのか。
警察に通報する、児童相談所に連絡する、いろんな方法はあるのでしょうが、
ややこしい話に巻き込まれるのではないだろうかとか、
自分の家のことで精一杯なのに首を突っ込みたくないとか、
そんな思いも持ってしまうはず。
 
やっぱり思い出すのは、伊坂幸太郎の『砂漠』の言葉。
1人助けたところで他にもいっぱいいるんだしどうにもならない、
じゃなくて、まず最初は1人から。
子どもたちに「死んじゃおうか」なんて思わせちゃいけない。

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