夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『クイーン ヒストリー 1973-1980』

2019年05月04日 | 映画(か行)
『クイーン ヒストリー 1973-1980』(原題:Queen: Under Review 1973-1980)
監督:ロブ・ジョンストーン
 
テアトル梅田で『こどもしょくどう』を観たあと、阪急電車に乗って塚口へ。
塚口サンサン劇場にて2本ハシゴの1本目。
 
『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットついでに
2005年に発売されたDVDを劇場でかけちゃいましょう、そんなとこですかね。
第七藝術劇場でもかかっています。
『クイーン ヒストリー2 1980-1991』というDVDもあるんですが、
さすがにあざといと思わそうだからか、それとの抱き合わせ上映なんてのは無し。
 
DVD自体の評判はあまりよくありません。
評論家の話がほとんどで、コアなファンなら知っている話ばかりだそうな。
歌がガンガン聴けることを期待して観るとガックリするでしょう。
 
私の場合、TSUTAYA DISCASで以前(わりと最近(笑))レンタルしたのですが、
そんなふうに歌はほとんどかからないせいで、集中力が持たず。
真剣に観ないまま返却してしまったので、劇場で観るのもいいかなと思って。
 
レンタルDVDで観られるものをわざわざ1,400円払って観たわけですが、
私はとても楽しめました。
『ボ・ラプ』が純粋な伝記ではないこと、
どの年の話を繋いでできあがった映画だったのかもわかります。
 
音楽評論家の話も非常に面白い。
ポール・ガンバッチーニ、マルコム・ダン、クリス・ウェルチって、
私は全然知らない名前ばかりですが、有名な評論家なのでしょうね。
彼らが皆評論家だからといって、同じ曲を評価しているのではなくて、
ある人は「お気に入りの曲だ」といい、
別の人は「どうしてあんな曲をつくったのかいまだにわからん」と酷評する。
好みが同じ人ばかりがしゃべるのを聞いても面白くないですもん。
 
クイーンが音楽をする人たちに与えた影響は意外に少ないということ。
というのも、クイーンはカテゴリーを飛び越えていろんな音楽にチャレンジするバンドだったから、
真似しようにもしようがないから。
そして、パンクが台頭して消え去ったバンドも多いなか、
流行に乗らなかったクイーンは流行に押しつぶされることもなかったということ。
 
ギター片手に曲のコード進行について話すのは、ギタリストのサイモン・ブラドリー。
コードのことはわからない私も実演付きだからわかりやすくて。
フレディはピアノを弾く人だから、無意識のうちにピアノで弾きやすいコードで作曲している。
同じ曲中にギターソロを入れる場合、その点でブライアンは苦労しただろうという話。
ピアノで弾きやすいコードはギターでは弾きにくく、
でもブライアンはフレディの作曲部分を無視して自分のソロを作曲するわけにはいかなかった。
だから、ソロ部分も微妙に難しいコード進行になっているとか。
 
メタリカがカバーしたことにより、世間がクイーンの曲の良さを再認識したという
“Stone Cold Crazy”の話なども、にわかクイーンファンの私としては「へ〜っ」でした。
 
DVDならではなのか、ありえない字幕の誤字も。
アルバムタイトル『戦慄の王女』が『旋律の王女』となっていたのにはワロた。
 
それにしても、本作に出てくる名前は見事にフレディとブライアンのみ。
“Another One Bites the Dust”の話でリフがいいよとディーキーの名前は一度出たか。
誰かドラムのロジャーのことも褒めてあげて!

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