夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『Be With You いま、会いにゆきます』

2019年05月09日 | 映画(は行)
『Be With You いま、会いにゆきます』(英題:Be With You)
監督:イ・チャンフン
出演:ソ・ジソブ,ソン・イェジン,キム・ジファン,コ・チャンソク,イ・ジュンヒョク
   ソン・ヨウン,イ・ユジン,キム・ヒョンス,パク・ソジュン,コン・ヒョジン他
 
ナナゲイで観た『セメントの記憶』の衝撃をひきずりながら、心斎橋シネマートへ。
ちょうど木曜日だったので会員サービスデー。お得な1,000円です。
 
原作は市川拓司のベストセラー小説だというのはもう説明不要ですね。
日本では同名の『いま、会いにゆきます』として(2004)に映画化。
そのときの共演がきっかけで竹内結子中村獅童ができちゃった結婚したのでした。
私はレンタルDVDで確かに観たおぼえはあるのですが、
「死んじゃったお母さんがが戻ってきた」ということぐらいしか記憶になし。
中村獅童がタイプとはいえないからでしょうか。
別に嫌いじゃないんですけれど、好きでもない、というのかどーでもよくて。
やはり主演俳優がタイプかどうかって大事ですよねぇ。
 
で、本作はその韓国版リメイクです。
こっちの主演ソ・ジソブが中村獅童よりずっとタイプ。
女優ソン・イェジンは可愛くて美人、竹内結子にちょっと似たタイプかも。
こんなに泣ける良い作品でしたっけ。泣いた泣いた。
 
夫ウジンと小学生の息子ジホを遺して亡くなったスア。
ジホは母親スアのお手製絵本にあるとおり、
梅雨の始まりとともに母親が帰ってくると信じている。
 
高校時代は将来を嘱望される競泳選手だったウジンは、
体調に問題があって水泳を辞め、今はプールに用務員として勤務する身。
頼りないウジンがシングルファーザーとなったことを周囲は心配するが、
近所でパン屋を営む気の好いホングの手も借りながら、なんとかやりくり。
 
天気予報が梅雨入りを宣言した日、
スアが約束の場所へ帰ってくるはずだと言ってきかないジホ。
ウジンは仕方なくジホを連れて廃線となった線路のトンネルへ。
するとそこにはスアにそっくりの女性がうずくまっていた。
 
彼女はすべての記憶を失っているらしいが、スア本人としか思えない。
ウジンとジホは彼女を家へ連れ帰ると、訝る彼女にスアの写真などを見せ、
妻であること母親であることを説得し、彼女もそれを受け入れる。
 
こうして幽霊かもしれないスアと、ウジン、ジホ家族3人の生活がまた始まるのだが……。
 
梅雨が終わってスアは天国へと帰って行くんですけれど、
最後にすっごいドンデン返しがありまして。
 
この日の晩の食事会で本作の話をしたら、
ほかの3人ともなんとなくはオリジナル版や原作のことを知っていて、
でもこんなドンデン返しはオリジナルにあったかいな、なかったんちゃうか、
原作にはあったような気がするとか、ワーワー言うておりました(笑)。
 
オリジナルが15年前の作品だから、今さらネタバレにはならないでしょう。
 
自分がいずれここからいなくなる運命だと知ったスアは
まだ幼いジホがひとりで何でもできるように、
また、ジホが体調に不安を抱える父親ウジンのことまで守れるように、
家事をひとつひとつ教えます。
目玉焼きのつくり方、掃除機のかけ方、洗濯物の干し方。
母親の意図を察したジホがしっかりとそれを覚えるようになります。
学芸会の席でほかの生徒たちが各々得意なことを挙げるなか、
最初は普通の子どもたちと同じように夢を語るつもりだったジホが、
スアから習ったことを得意なものとして挙げる様子は涙なしでは観られません。
 
死期を悟った人が、遺された家族がひとりでも生きていけるように、必要なことを教える。
『海洋天堂』(2010)然り、ビデオ録画の仕方を教える『八月のクリスマス』(1998)然り。
泣いてしまうのは当たり前。
ウジンとスアの馴れ初めの話にも胸がキューッ。ボロ泣きでした。
ホング役のコ・チャンソクもめちゃくちゃいい味。
 
オリジナルでも同じくらい泣いたなら覚えているはずなので、
これはリメイクの圧勝ということで。
気持ちよく泣きたい気分の人、ぜひどうぞ。

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