『リーサル・ストーム』(原題:Force of Nature)
監督:マイケル・ポーリッシュ
出演:エミール・ハーシュ,ケイト・ボスワース,メル・ギブソン,デヴィッド・ザヤス,
ステファニー・カヨ,ウィル・キャトレット,ホルヘ・ルイス・ラモス他
109シネマズ箕面にて。
原題が“Force of Nature”なのに邦題が『リーサル・ストーム』って、これどうよ。
しかもご丁寧に本編開始前の邦題と字幕担当者表示時に“Lethal Storm”との英字表記まで。
脇役でメル・ギブソンが出ているから『リーサル・ウェポン』に倣ってみましたというだけ。
ちなみにご存じない方のために書いておくと、“lethal”とは「致命的な」という意味です。
つまり“Lethal Storm”は「死にそうなほど凄い嵐」ということになるのですけれど、
過去の大嵐の映画と比べて全然死にそうじゃありません(笑)。
批評家からは酷評されています。
だけど私、悪天候の中で何かが起きるという作品が大好きなんです。
駄作だとしてもその設定だけでウキウキするから観ずにはいられない。
そして結構楽しかった。(^O^)
ニューヨーク市警察の警官コルディーロは、銃声ありとの通報で現場に駆けつける。
薄く開いた扉から銃身が見えたために発砲したところ、
それは援護に訪れた婦警ジャスミン、しかもコルディーロの恋人だった。
自らの手で恋人を殺してしまったコルディーロ。
1年後、まだ立ち直れないコルディーロは、プエルトリコの警察に勤務。
超巨大ハリケーンが近づくなか、避難命令に応じない住民を説得するよう上司から言われる。
致し方なく、プエルトリコ人の婦警ジェスを連れて、あるマンションへ。
避難を拒否してそこに残っていたのは、元警察署長のレイとその娘トロイ。
トロイはなんとか父親を連れ出そうとしていたが、レイは頑として動かない。
もうひとりは、訳ありらしい老人ベルカンプで……。
ばりばりネタバレになりますが、誰でも読めそうな展開なんです(笑)。
ベルカンプはドイツ人で、ナチスだった父親から名画を譲り受けています。
ナチスドイツが略奪した美術品ですよね。
これを知った世界的強盗団のボスが、部下を引き連れてマンションに乗り込む。
嵐の合間にお宝を頂いちゃおうという魂胆で、人もバンバン殺す酷い奴。
ここに重要人物があとひとり。
同じマンションに住む青年グリフィンで、黒人というだけでこれまでいろんな差別を受けている。
彼は何やら獰猛なペットを飼っているのですが、その餌の量と言ったら、肉50kg。
ペットのために肉を買い占めていたら、それを咎められて警察沙汰に。
そのグリフィンがどうしてもペットに餌をやらねばならぬというので
コルディーロとジェスがマンションまで送り、餌やりを終えたら直ちに避難、
ついでにレイとトロイとベルカンプも避難させるはずだったのですが、そうは問屋が卸さない。
って、延々と書いても仕方ないので、この辺でやめておきましょう。
結局、獰猛なペットの正体は見せてもらえませんでしたが、虎かなぁ。
犯人はペットに襲いかかられてお陀仏というところまで展開読め読めです(笑)。
レイが頑固にマンションに残ろうとした理由も言わないままだし、
ま~、ほんとにツッコミどころ満載でワラける。
デビューしたての頃はもっと人気が出ると思ったエミール・ハーシュがコルディーロ役。
かつてモテモテだったケイト・ボスワースがトロイ役。そしてレイ役がメル・ギブソン。
こんな面子で何やってんだという気がしなくもないけれど、
私はこの映画がなんだか憎めません。