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『心の傷を癒すということ 劇場版』

2021年03月11日 | 映画(か行)
『心の傷を癒すということ 劇場版』
監督:安達もじり
出演:柄本佑,尾野真千子,濱田岳,キムラ緑子,石橋凌,近藤正臣他
 
109シネマズ箕面にて、前述の『リーサル・ストーム』とハシゴ。
 
2000(平成12)年に39歳の若さで亡くなった精神科医・安克昌の実体験が基。
NHKで放映されたTVドラマを劇場版として再編集した作品。
 
安田家は実業家の父親(石橋凌)と母親(キムラ緑子)、息子3人の5人家族。
子どもたちは、小学生の頃に自分たちが在日韓国人であることを知らされる。
 
以来ずっと、嘘の姓を名乗っている気持ちになっていた次男・和隆(柄本佑)は、
高校生のとき、同じく医学部を目指す同級生・湯浅(濱田岳)に
自分が在日韓国人であり、本当の姓は「安」であることを打ち明ける。
 
共に医学部に進学し、湯浅は父親の病院を継ぎ、
和隆は神戸大学医学部附属病院の精神科へ。
学生時代に運命的な出会いをした終子(尾野真千子)と結婚し、子どもにも恵まれる。
 
ところが1995(平成7)年に阪神・淡路大震災が起きて……。
 
冒頭、夫の帰宅前に口紅を塗る妻の姿、
そして息子3人も揃って玄関で父親を出迎える姿に『はちどり』(2018)を思い出します。
日本で差別を受け、たとえ韓国に渡ったとしても差別を受ける在日の人たち。
だけど、父親が絶対的存在だというのは変わらないのですね。
在日だからとあれこれ言われないように、良い大学へ行って良い仕事に就く。
背負っているものが違うとしみじみ思う。
 
父親が和隆に望んだ専攻は精神科ではありませんでした。
しかし和隆は人の心が知りたいのだと、おそらく生まれて初めて父親に反抗する。
そうして彼が選んだ道は、被災者の心にも寄り添い続けるものでした。
 
「理由がたくさんあるのは、ないのと一緒」という言葉がよかった。
あきらめる理由、やりたくない理由をああだこうだと挙げるのは、
理由がないのと同じ。ならばやれよ。この先も思い出すであろう言葉になりました。
 
本筋とは離れた話ですけれど、濱田岳ってなんでこんなに完璧な関西弁!?
おみそれしました。

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