夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『あの頃。』

2021年03月04日 | 映画(あ行)
『あの頃。』
監督:今泉力哉
出演:松坂桃李,仲野太賀,山中崇,若葉竜也,芹澤興人,
   コカドケンタロウ,大下ヒロト,木口健太,中田青渚他
 
日曜日の晩、食事を済ませた後にもう1本。
109シネマズ箕面にて。
 
前々日に公開されたばかりで、この出演陣なら集客が見込めそう。
きっとそれで割と大きめのスクリーンのシアターを当てたのでしょう。
だけどこの日最終の17:45の回、客は私ひとりでした。
今年初めての“おひとりさま”
 
原作は劔樹人の自伝的コミック・エッセイ『あの頃。 男子かしまし物語』。
監督は今泉力哉、脚本は冨永昌敬
いまおかしんじがカメオ出演していたりして、
映画好きならいろいろニヤけてしまうかもしれません。
 
ベースの練習に時間を割けぬぐらいバイトに明け暮れるうち、
バンド仲間から見限られ、落ち込んでいた劔樹人(松坂桃李)。
そんな彼を元気づけようとした友人から渡されたのは、1枚のDVD。
 
再生すると、そこにはハロプロ所属のアイドル、松浦亜弥の姿が。
彼女の何もかもに心を奪われた劔は、この瞬間からアイドルオタクの道へ。
直ちに自転車を駆り、レコードショップへ向かう。
目を輝かせて松浦亜弥のコーナーに飛び込んだ彼は、
店主のナカウチ(芹澤興人)からイベントに参加しないかと声をかけられる。
 
それはハロプロオタクのトークイベント。
あまりの楽しさにイベント終了後のナカウチに礼を言いに駆け寄ると、
なりゆきで打ち上げに誘われて……。
 
ほかのオタクの面々を演じるのは、仲野太賀山中崇若葉竜也、コカドケンタロウ。
それぞれ個性豊かで、めちゃくちゃ面白いキャラクター。
仲野太賀は完全にお父さんの中野英雄を超えた印象です。
 
太賀演じるコズミンが癌に冒されたときには、生前葬を執りおこない、
亡くなった後にはいつものトークイベント会場でお葬式。
これはもうモンティ・パイソンのノリかと。
さすがに骨壺をバスケットボール代わりにはしないけど。
こんなお葬式をしてくれる仲間がいるのはいいなぁと思えます。
 
バカばっかりやっていても、のめり込んだものがあった「あの頃」は、
思い出せば楽しく、ちょっぴり切ないはず。
「いつだって今がピーク」だという道重さゆみの名言を覚えておきたい。
昔もいいけど、今もいい。
 
何でも笑っちゃえ。笑っていればなんとかなる。

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