『映画 太陽の子』
監督:黒崎博
出演:柳楽優弥,有村架純,三浦春馬,イッセー尾形,山本晋也,三浦誠己,宇野祥平,
尾上寛之,渡辺大知,葉山奨之,奥野瑛太,土居志央梨,國村隼,田中裕子他
声の出演:ピーター・ストーメア
前述の『元カレとツイラクだけは絶対避けたい件』を観たあと、
TOHOシネマズ梅田の別館へ移動して。
日米合作で製作されたNHKドラマの劇場版。
テレビでご覧になった方も多いようですが、私は未見です。
第二次世界大戦中の1940年代。
原子力爆弾をどこの国よりも早く完成させよとの密命を受けた京都帝国大学の物理学研究室は、
荒勝文策教授(國村隼)のもと、学生たちが来る日も来る日もその開発に心血を注いでいた。
原子物理学を志す石村修(柳楽優弥)は、バカが付くほどの実験好き。
数字の計算は苦手なのに、いったん実験を始めると夢中になって止まらない。
そんな修に呆れながらも学生たちは協力して開発を進めようとしている。
一方、修の幼なじみ・朝倉世津(有村架純)とその父・清三(山本晋也)は建物疎開で住む家を失い、
修の母・フミ(田中裕子)の計らいで石村家に身を寄せることに。
同じ頃、修の弟・裕之(三浦春馬)が肺の療養のために戦地から一時帰郷する。
久しぶりの再会を喜び合い、それぞれに心の平安を得る3人だったが……。
実験は楽しいし、開発を進めているものは一刻も早く完成させたい。
しかし、科学者が兵器開発に携わっていいものかどうか。
開発中はそれがどのような形で使用されるものなのかわかりません。
『ジョーンの秘密』(2018)もうそうでしたが、それが使用された後に関わったものの恐ろしさを知る。
修とその仲間たちも焦土と化した広島を訪れて呆然とします。
英語で話すこの人はいったい誰なのかと思ったら、アインシュタインでしたか。
アインシュタインがもしも長崎と広島のことを予見していたら、
自分が見つけた公式は破棄していただろうと語ったとされていますよね。
科学による発明は素晴らしい。でも使い方ひとつで世界が変わってしまう。
三浦春馬が生きていたならば、本作を観ても原爆のことばかり考えていたはずですが、
彼が死んでしまったがゆえに、「自分だけが生きとるわけにはいかんのじゃ」という言葉がつらい。
自ら命を絶とうとするシーンは見ていられません。
原爆そのものと、命について考える1本となりました。