『キネマの神様』
監督:山田洋次
出演:沢田研二,菅田将暉,永野芽郁,野田洋次郎,リリー・フランキー,前田旺志郎,
志尊淳,片桐はいり,原田泰造,北川景子,寺島しのぶ,小林稔侍,宮本信子他
仕事帰りに109シネマズ箕面に寄ったら、また知った顔が。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観に行ったときにバッタリ会ったお兄さん。
「これ、まだ観てなかったん?」と聞かれて、
「先に『ワイルド・スピード』を観たもんで」と答えました。
「まだ観てなかったん?」と言わはるけど、これ公開になってからまだ4日しか経ってへんし(笑)。
志村けんが主演する予定だったところ急逝。
その遺志を継いだ沢田研二の登板が話題となっています。
原作は原田マハの同名ベストセラー小説です。詳細はこちら。
私が原作を読んだのは7年前らしく、そんな前のことを覚えているはずもない。
本作を観ながら、えらく話がちがうようだけどと思いましたが、
自分で書いた記事を読んだら、まるで別物やん。
かつて映画監督を目指していたゴウこと円山郷直(沢田研二)は、
いまやすっかりアル中のギャンブル依存症。
闇金に手を出して借金取りに追われても酒とギャンブルをやめようとしない。
そんなゴウを変わらず迎えるのは、何十年来のつきあいのテラシンこと寺林新太郎(小林稔侍)。
実はテラシンはその昔、淑子に恋心を抱き、ゴウに敗れた過去がある。
今は古き良き映画館“テアトル銀幕”の館主を務め、淑子はここで清掃のバイト中。
家を飛び出してきたゴウをテラシンが席に座らせてやることもしょっちゅう。
……というゴウの過去を挟みながら物語は進行します。
私はどうやら山田洋次監督の作品があまり得手ではないようです。
序盤はなんどか睡魔にすら襲われました。
原作のゴウちゃんはもっと愛すべきキャラクターだったと思うのですが、
ジュリー演じるゴウちゃんはクズのクズ(笑)。
宮本信子演じる淑子も、「私が100万円はなんとかするから、
あんたもなんとかしてよ。貯金、結構あるんでしょ」って、
娘にダメ親父の借金返済を手伝わせようとしますかね。最低。
こういうシーンを含め、なんというのか山田洋次監督の作品って、
「穏やかそうな役者が穏やかそうな物の言い方をするけれど、
言っている内容は結構えげつない」ように思うのです。
今の時代に言うことではないというのか。
ダメ男であっても女はそれを支えて当たり前、みたいな印象。
原作ではもっと映画の話がいっぱい出てきたのでそれも楽しかった。
映画版ではたいして出てこないんです。
『ニュー・シネマ・パラダイス』の話はあったけど。
そのくせ、『カイロの紫のバラ』を思い出させるシーンがあったりする。
こんなシーン、原作にありましたっけ。まったく覚えていません。(^^;
志村けんがコロナに感染して亡くなったからなのか、
コロナのことも取り入れられていて、それが取って付けたかのよう。
しかし山田洋次監督の作品に文句を言うと悪人みたいに思われそうです。
そこがまた嫌なところで(笑)。
素直な人が観に行くといい作品なのだと思います。
私みたいなアマノジャクはダメ。ちぃとも泣かれへんっちゅうの。