『百花』
監督:川村元気
出演:菅田将暉,原田美枝子,長澤まさみ,北村有起哉,岡山天音,神野三鈴,永瀬正敏他
109シネマズ箕面にて、貯まったポイントを使って鑑賞しました。
原作者は川村元気。やり手のプロデューサーというイメージしかありません。
この人の手にかかればヒットまちがいなしでしょう。
川村元気が関わった作品をちょっと挙げてみましょうか。
『世界から猫が消えたなら』(2016)と『億男』(2018)の原作者であり、
『怒り』(2016)や『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(2017)、
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)では企画とプロデュースを担当。
何よりもあの大ヒット作『君の名は。』(2016)のプロデューサーです。
さらに、“ドラえもん”シリーズには脚本を執筆した作品もある。
まったく、どんだけ金儲けるねんとやっかみたくもなる(笑)。
そんな彼がついに映画監督としてデビューを飾る。凄すぎるでしょう。
とても素直に称賛する気にはなれません。すんません。(^^;
音楽関連の会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)。
同僚で妻の香織(長澤まさみ)は妊娠中で出産間近。もうすぐ親になる。
ピアノ教室を開く母親の百合子(原田美枝子)を訪ねると、どうも様子がおかしい。
息子に接する態度とは思えず、気味悪さを感じてその日はとっとと帰るが、
後日、百合子がアルツハイマー型認知症を発症していることがわかる。
百合子を引き取ってもよいという香織に断り、海辺の施設に入居させる。
泉に会うたびに「半分の花火が見たいの」と口走る百合子。
その意味がわからずに戸惑う泉だったが……。
いろいろとお金をつぎ込んで映画を製作できる身分でしょうに、
主な役者は菅田将暉と原田美枝子、長澤まさみ、そして永瀬正敏くらいです。
これらの人はみんなほんとにちょっと出ているだけ。横顔程度の人もいる。
百合子の旧友役で出演している神野三鈴ぐらいでしょうか、ちゃんと顔が写るのは。
泉と百合子の間には過去の出来事が原因で溝があります。
その出来事とは、百合子が泉を置き去りにして男のもとへ走ったこと。
相手の男である浅葉を演じているのが永瀬正敏です。
ネタバレになりますが、浅葉は百合子のピアノ教室の生徒で既婚者。
神戸方面に単身赴任になった折に、百合子を連れて行って一緒に暮らします。
それまでの百合子はネグレクト気味でもないし、良い母親。
なのに泉を誰に預けることもなく、突然出て行ってしまう。その間1年。
子どもとして許せますか。いきなり女になった母親のことを。
そんなときもあると共感できるかどうか。
若かりし頃の百合子も原田美枝子が演じていて、
老けメイクに頼るよりはいいような気もするけれど、とにかく化粧が濃い。
そりゃ美しいですよ。化粧が濃かろうが薄かろうが原田美枝子は綺麗です。
でもその濃い化粧に目が行くと、うーん、きついなぁと思ってしまう(笑)。
阪神・淡路大震災のことも絡められていて、震災をきっかけに百合子は泉のもとへ戻った模様。
本や映画で震災を絡められると少し冷めた目で見てしまいます。
認知症の人の目にはこんなふうに物事が映っているのかと思うと、そこは興味深い。
忘れているのは母親のほうだと思っていたら、自分だって大事なことを忘れていた。
そういうことなのかもしれませんが、どうも偽善臭を感じてあまり好きじゃない。
それもこれも、川村元気に対するやっかみかもしれませんけど。(^^;