『母の聖戦』(原題:La Civil)
監督:テオドラ・アナ・ミハイ
出演:アルセリア・ラミレス,アルバロ・ゲレロ,アジェレン・ムソ,ホルヘ・A・ヒメネス,
ダニエル・ガルシア,エリヒオ・メレンデス,バネサ・ブルシアガ,マヌエル・ビジェガス他
シネ・リーブル梅田で18:05上映開始。
仕事帰りに行くには間に合いそうにない時間だと思いましたが、あらら、余裕。
職場から30分かからずに到着。コンビニで恵方巻まで買う時間ができました。
ベルギー/ルーマニア/メキシコ作品。
実話が基になっているというのですから驚きです。
中年女性シエロは、メキシコ北部の町で年頃の娘ラウラと二人暮らし。
ある日、恋人のリサンドロとデートだと言ってラウラが出かける。
ひとりで買い物に赴いたシエロを遮るように停まった車から降りてきた見知らぬ青年は、
娘を返してほしければ身代金15万ペソを明朝までに用意しろと言う。
ラウラは誘拐されてしまったらしい。
シエロは別居中の夫グスタボのもとを訪ね、金を用意するように頼む。
警察に話すべきだろうかと考えるシエロに、グスタボと同棲中のロシは、
そんなことをすればラウラは即刻殺されると断言する。
15万ペソの半額ほどを工面したグスタボとシエロは、翌朝あの青年と面会。
しかし青年はラウラを返そうとしないばかりか、無事も確認させてくれず、
自分は上から命じられただけで、これで撤収すると言って立ち去ってしまう。
グスタボは頼りにならず、シエロは考えた末に警察に駆け込むが、相手にしてもらえず。
致し方なくたったひとりで組織の情報を集めると、
路上で見かけたメキシコ軍のラマルケ中尉に協力を求めるのだが……。
メキシコでは誘拐ビジネスが蔓延していて、行方不明になっている若者が大勢いるそうです。
『ニューオーダー』(2020)のような富裕層を狙うならともかく、
シングルマザーで小さな家に住み、絶対お金があるようには見えない、
実際持っていない家庭の子どもを誘拐するとは、いったいどういうことなのでしょう。
15万ペソっていくらぐらいなのかなと思ったら、35万円ぐらいなんですよね。
その程度の額のために誰かをさらい、売ったり殺したり。
そしてその程度の額なのに、親はどうしても工面できない。
払ったって子どもの命はまず救えないわけですから、どうにもなりませんけれど。
本作では警察は当てにならず、軍人は親身になって協力してくれたものの、
実際には汚職まみれの軍人だって多いはずで、誰を頼ればいいのか。
仮に死んでいたとしても帰ってきてほしい。
母親の執念を感じます。
それにしてもあのラスト。誰、誰、誰~!?(^O^;