『カンダハル 突破せよ』(原題:Kandahar)
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー,ナヴィド・ネガーバン,アリ・ファザール,バハドル・フォラディ,バシリス・コウカラニ,
ニーナ・トゥーサント=ホワイト,コーリイ・ジョンソン,トム・リース・ハリーズ,トラヴィス・フィメル他
なんばパークスシネマにて、2本ハシゴの2本目。前述の『火の鳥 エデンの花』の後に。
この人の出演作を観ると、必ず書いてしまう「弁護士で俳優」のジェラルド・バトラー。
リック・ローマン・ウォー監督とタッグを組むのは『エンド・オブ・ステイツ』(2019)、
『グリーンランド 地球最後の2日間』(2020)に続いて3作目になるそうです。
どうでもいいけどこの邦題、まるで『ハンターキラー 潜航せよ』(2018)みたいじゃあないか。(^^;
実行犯であるトムとオリバーの正体と顔写真までニュースで流れ、命を狙われるはめに。
すでにその場を離れていたトムは無事だったが、オリバーはすぐに殺害されてしまった模様。
依頼を受けていた次の任務は中止となるが、とにかく直ちに逃げなければならない。
次の任務のために同行していた通訳の老人モーは、トムが何者かを知らされていなかったため、
原子炉を爆破したと聞いて、彼と一緒にいる自分も同様に追われる身となったことを理解する。
バレれば工作員は見捨てられる運命ではあるものの、
640キロ先のカンダハルまで辿りつくことができれば、CIAが用意した飛行機に搭乗させてもらえる。
モーを連れてなんとか逃げ切ろうとするのだが……。
シビアなテーマとはいえ娯楽作品ですから、難しいことは考えなくて許されそう。
でもいろいろとややこしいなぁ、あの辺りの国の事情や各国諜報機関のあれこれ。
そもそもジェラルド・バトラー演じるトムはCIAに所属しているのではなくてフリーランスっぽい。
フリーの工作員なんているのかどうか知りませんけど、
のちのちの台詞には「MI6から借りている」とありましたから、MI6の人なのかしら。
狙うほうもいろんな国のいろんな組織がいるんですよね。
ISISのふりをしたアフガニスタンの傭兵軍団とか。あ、間違っていたらすみません。
こういうのって、主人公の味方のはずが黒幕だったという展開が多いから、
トムに仕事を依頼するローマンなんて怪しそうだと思っていたら、めちゃめちゃいい奴じゃないですか。
ジョン・マルコヴィッチにちょっと似ていませんか、ローマン役のトラヴィス・フィメル。
トムとモーを助けるために身を挺する彼には泣かされました。
この世界では、寝返ることを繰り返す者が金を稼いでトップに立つ。
原子炉を爆破したところで、同じものがまた建てられるだけ。
楽しんで観ていると良心がしくしくと痛むようなエンターテインメント作品です。