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『火の鳥 エデンの花』

2023年11月11日 | 映画(は行)
『火の鳥 エデンの花』
監督:西見祥示郎
声の出演:宮沢りえ,窪塚洋介,吉田帆乃華,イッセー尾形,浅沼晋太郎,木村良平他
 
日本シリーズが終わって数日が経ち、すっかり映画モードになっています。
仕事帰りに車で大阪市内へ向かうと、御堂筋のライトアップが綺麗。
人工的ではありますが、キラキラのライトをくぐり抜けて走るとテンションが上がる。
なんばパークスシネマにて、2本ハシゴの1本目。
 
手塚治虫が漫画家として活動を開始した頃から晩年に渡ってライフワークとして手がけていたのが『火の鳥』。
シリーズのうち、1971年12月初出の『望郷編』をSTUDIO4℃が初のアニメ映画化。
STUDIO4℃とは、スタジオジブリマッドハウスに在籍した方々が設立した映像制作集団なのだそうです。
 
地球から逃げ出したカップルのロミとジョージは、辺境の惑星エデンに降り立つ。
果たしてここは人間が生きてゆける環境なのか、AIロボットのシバと共に探索する。
やがてロミは身ごもり、男児を出産。一人息子にカインと名付ける。
家族のためにも安心して生活できる環境を整えようと水源を探していたジョージは、
ようやく溢れ出す水を発見したとき、その水に飲み込まれて死んでしまう。
 
カインと二人きりになったロミは、自分の死後のカインのことが心配でならない。
冷凍睡眠で13年の眠りに就くことに決めて、その間のカインの世話をシバに頼む。
 
ところが、13年経ってもロミは眠ったまま。13年のはずが誤って1300年になっていたことがわかる。
ロミが目覚めるのを心待ちにしていたカインはシバに八つ当たり。
修理不能なまでにシバは壊れ、ひとりで生きていくしかなくなったカイン。
 
1300年が経ち、やっと目覚めたロミ。
そこにはカインの子孫、つまり自分の子孫である新人類によって巨大な町“エデン17”が築かれていた。
すべてのもととなるロミは神の扱いを受けて暮らすが、寿命が近づくにつれ、望郷の想いが募る。
それを知った少年コムは、ロミをなんとしてでも地球に連れて行きたいと思うのだが……。
 
カインがシバをぶっ壊したときは、こいつ、キレすぎやろ、なんちゅうことするねんと思いました(笑)。
ロミもシバもいない状況の中では何ひとつできず、頼りないことこのうえないカイン。
そこに手を差し伸べるのが火の鳥。子孫を残すために姿を変え、カインの前に現れます。
 
その後カインがどのように生きたかはまったく描かれないところが面白い。
ロミの姿でカインの前に現れて子孫を残そうと言うのはどうなんだと思いましたし、
ロミの失意につけ込んで母親の姿をした裸の女性が現れるのもかなり気持ち悪いけど。(^^;
 
念力で飛行船を飛ばすコムが頼りになって可愛い。
目は見えなくともすべてを察知、どんなものにでも成り代われる、不思議な人類。
純粋な心しか持ち合わせない彼らに「欲」を売りつける悪人役の声がイッセー尾形でハマリすぎ。
 
『火の鳥』を知らなかった人も楽しめるアニメだと思います。
これが半世紀前に描かれた作品だというのが凄い。

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