『ソウルメイト』(英題:Soulmate)
監督:ミン・ヨングン
出演:キム・ダミ,チョン・ソニ,ピョン・ウソク,チャン・ヘジン,パク・チュンソン,
カン・マルグム,ナム・ユンス,ヒョン・ボンシク,キム・スヒョン,リュ・チアン他
仕事帰りにしんどいなぁと思いながらなんばパークスシネマまで車を飛ばしたのは、
前述の『キンキーブーツ』を観たかったということもあるのですが、最初に決めたのは本作でした。
レイトショーでこれを観たいがために前に『キンキーブーツ』を入れただけ。
『少年の君』(2019)のデレク・ツァン監督がそれよりも前に撮っていたのが『ソウルメイト/七月と安生』(2016)。
これがまた凄く良くて、私はこの監督に魂を射貫かれっぱなし。
その『ソウルメイト』の韓国リメイク版が上映されると数週間前に知り、これは絶対に観たいと思いました。
主演は『The Witch/魔女』(2018)のキム・ダミ。
彼女はちっとも可愛いとは思えないのですが、映画の中では美人扱いされていますよね。
この顔は美人なんですか。誰か教えて。
でね、全然美人だとは私は思えないのですけれど、見ているうちになんか馴染むんです。
不思議な魅力のある女優だなぁと思います。
まぶたがバリバリ一重のところにも親近感が湧きますが(笑)。
韓国・済州島。
コ・ハウンがかよっていた小学校にある日やってきた転校生アン・ミソ。
徹底的に無愛想なミソは、席に着く間もなく教室を飛び出してしまう。
ミソが放置した鞄を持ち帰ったハウンは、ミソを見つけて鞄を渡す。
そのままふたり一緒にハウンの家へ。ハウンの両親はミソをもてなす。
男運の悪い母親のせいで転校を繰り返していたミソが初めて打ち解けたのがハウン。
またどこかに引っ越すのだと母親が言い出した折、
済州島に残りたいというミソをハウン一家が引き取り、そのまま一緒に育つ。
物語はミソとハウンの出会いから別れまでが綴られていますが、
冒頭では鉛筆のみで描かれたミソの肖像画を前にして、
美術館の学芸員がこれは大賞を受賞した絵であることを告げ、
匿名で応募された絵のため、画家が誰なのかわからない、
モデルになっているあなたには誰が描いたかわかるのではないかと尋ねるシーンから始まります。
ハウンの恋人ジヌのことをミソも好きになってこじれたという見方もあるかと思いますが、
ミソはジヌのことなんてなんとも思っていなかったように感じます。
ミソが誰よりも守りたかったのはハウンだし、ハウンだってそうだった。
オリジナルでは匿名で書かれた小説を映画化したいという話だったところ、
このリメイク版では小説ではなくて絵に変更されています。
ミソの肖像画が画面いっぱいに映し出されるシーンでは、
『大河への道』(2022)で地図が広がるシーンを思い出して圧倒されました。
胸いっぱいに切なさが広がります。
平日の帰宅が午前0時近くなるのはきついのですけれど、良い映画を観ると心が洗われる。