『ゴジラ-1.0』
監督:山崎貴
出演:神木隆之介,浜辺美波,山田裕貴,青木崇高,吉岡秀隆,安藤サクラ,佐々木蔵之介他
振り返ると、前述の『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』を観たのは文化の日で、
まだ日本シリーズが決着していない段階でした。
3勝2敗で大手をかけた状態で、試合が組まれていない日だったから、心穏やかだったのですよねぇ。
そして第6戦、第7戦へともつれ込み、その間は私の劇場通いもストップ。
今シーズンのプロ野球の全行程が終わって初めて観たのがこれでした。
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
会員割引のある日だったので、109シネマズ箕面のScreenXで鑑賞することも検討しましたが、
とりあえず通常上映を観て面白ければ再鑑賞しようかなと思い。
「映画は儲かってなんぼ」と公言していらっしゃる山崎貴監督。
↑こういう書き方は語弊がありますかね(笑)。
こんな言い方じゃなかったかもしれないけれど、こんなことをおっしゃっていたはず。
確かに、客が入ってなんぼというところはあるから、これはこれで良いと思います。
さんざん予告編を目にしていたのに、時代設定が戦後まもなくだとは知らず、
上映開始直後に「そうだったの~!?」と驚く。
そうですか、『ゴジラ』(1954)の前日譚ということなのですね。なるほど。
第二次世界大戦末期の1945年。
搭乗機の不具合を理由に、修理を依頼すべく大戸島の守備隊基地に寄る。
整備兵の橘宗作(青木崇高)に胸中を見透かされても、死ぬのは怖い、飛びたくない。
その夜、海辺にたくさんの深海魚が打ち上げられているのを見て胸騒ぎをおぼえる。
深海魚が浮かぶ日には、ゴジラと呼ばれる怪物が出没すると島民たちが話していたから。
その噂のとおり、突如として海から姿を現した謎の巨大生物。
橘は、敷島が乗ってきた零戦に装着されている銃砲で撃つように言うが、
敷島は手の震えを止められず、ゴジラに向かって砲撃することが叶わない。
そうしている間に整備兵たちは次々と命を落とし、生き残ったのはわずか。
橘の怒声に何も言い返すことができないまま、敷島は東京へと帰る。
両親は戦禍に見舞われて亡くなっていた。
子どもを喪った隣人の太田澄子(安藤サクラ)からは、ぬけぬけと帰ってきたことを責められる。
やるせない気持ちでいたところ、盗みを働いて逃げる途中の女性から赤ん坊を押しつけられる。
彼女は大石典子(浜辺美波)。死ぬ間際の他人からこの赤ん坊を任されたのだと言う。
追い出すわけにもいかず、典子と赤ん坊の明子3人で暮らしはじめた敷島。
ある日、破格の賃金がもらえる仕事の話が舞い込む。それは、米軍が海中に残した機雷の撤去作業。
特別仕様の船と聞いていたのに、現場には貧相な木造の船しかない。
しかしこれこそが機雷の撤去には向いていると胸を張る艇長の秋津清治(佐々木蔵之介)。
ところがあのゴジラが東京へ向かっているとの情報が入り……。
迫力はあります。面白かったとも思います。
だけど私には如何せん、たいしてゴジラ愛がない。零戦にも詳しくない。
だから、ほーっ、凄いねとVFXに驚く以外には没入できないのです。
本作だけ観ると、ゴジラがなぜ誕生したのかもわからないから、ゴジラの悲哀も無し。
ただ突然現れた巨大生物が人を殺し、東京をぶっ壊す。
つまり、私が何にでも必須だと思っている切なさがここにはないわけで。
さまざまなゴジラ映画をいくつかは観て、背景を知ってからのほうがいいかもしれません。
それなりに背景を知っているにも関わらず、切なくないと言ってしまう者もここにいますけれども。(^^;
いちばんビックリしたのは一瞬だけ映る橋爪功ですかね。ノークレジットの友情出演か。
でも見間違いようなく、彼でした。銀座で逃げ惑う人のうちのひとりです。
口をあんぐり開けてゴジラに驚く彼の顔、どうぞご覧ください。
そして最後、「生きとったんかい!」とツッコミ入れた人も多いはず(笑)。