夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『室井慎次 敗れざる者』

2024年10月22日 | 映画(ま行)
『室井慎次 敗れざる者』
監督:本広克行
出演:柳葉敏郎,福本莉子,齋藤潤,前山くうが,前山こうが,松下洸平,矢本悠馬,生駒里奈,丹生明里,佐々木希,
   筧利夫,甲本雅裕,遠山俊也,升毅,真矢ミキ,飯島直子,小沢仁志,木場勝己,稲森いずみ,いしだあゆみ他
 
“踊る大捜査線”シリーズが大好きでした。
ドラマ終了時に全巻買ったビデオはびろびろに伸びたのでもう処分してしまったけれど、
サントラのCDは今もちゃんと残っていて、聴けば泣きそうになる曲もあります。
 
最後の劇場版から10年以上が経ってからこうして続編が制作されるなどとは夢にも思わず。
監督はずっとおんなじ本広克行、脚本もずっとおんなじ君塚良一、プロデュースもずーっと亀山千広
なのに主役だった織田裕二がこの場にいないのはやっぱり寂しいけれど、
いろいろと大人の事情がありそうだから仕方のないことなのかなぁ。
そんな織田裕二不在の続編ではありますが、スピンオフとしてじゅうぶん以上の楽しさです。
 
警察を辞めて故郷の秋田へと戻った室井慎次(柳葉敏郎)は、池の端に建つ古民家を購入。
タカこと森貴仁(齋藤潤)とリクこと柳町凜久(前山くうがと前山こうがの2人1役)を施設から引き取り、一緒に暮している。
タカは3年前に母親(佐々木希)を殺された過去があり、リクは服役中の男の息子。
つまりふたりは事件の被害者と加害者の子どもという立場で、室井は進んで里親となった。
 
心穏やかに過ごしていたある日、池の向こうから死体が見つかる。
身元を調べてみると、かつて室井が関わった特殊詐欺事件の犯人グループのひとりで、数年前に出所していたことがわかる。
秋田だけの事件ではないと、警視庁からも人がやってきて対策本部が設置されたうえに、室井も協力を求められて困惑。
 
同時期、室井家の周囲をうろついていたらしい少女が倒れているのをリクが見つけ、室井たちが介抱する。
彼女は日向杏(福本莉子)、なんと史上最悪の猟奇殺人犯と呼ばれた日向真奈美(小泉今日子)の娘だった。
室井に代わって料理をつくったり、リクとタカにゲームを貸したりと、馴染んでいる様子を見せる杏だったが、
何が目的なのか、室井について信じがたい嘘をリクたちに吹聴しはじめる。
それを鵜呑みにしてリクが憤る一方、タカは彼女の怪しさに気づいて慎重になるのだが……。
 
甲本雅裕遠山俊也筧利夫といった懐かしい顔ぶれとのやりとりにはグッと来て、それだけでいいと思えます。
その一方で、なんだか雑だなぁと思う場面もいくつか。
たとえば、杏が室井から暴力を受けているとか、里親をしているのは金目当てだからどうせそのうち子どもを捨てるとか、
あることないことじゃなくてないことないことをタカとリクに話すのですが、
室井のことを信じられなくなったリクが反抗的な態度を見せるようになります。
その後、何事もなかったようにリクが室井と普通に話すようになっているのは何故なんだ。
また、「ここから追い出す気はないが、人に迷惑をかけるな」と言われてふてくされた杏も普通に居るのがなんだかなぁ。
室井の「車を置かさせてください」という「さ入れ」の台詞も気になります。
という雑な点は置いておくとして、莉子ちゃんの演技がめちゃめちゃ怖い。もうやめて(笑)。
 
昔のシーンもいっぱい登場しますから、懐かしさに浸れます。
みんな歳を取ったのも嬉しいね。
 
来月公開の後編を楽しみにしています。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2回目の『JUNG KOOK: I AM S... | トップ | 『東京カウボーイ』 »

映画(ま行)」カテゴリの最新記事