『犬も食わねどチャーリーは笑う』
監督:市井昌秀
出演:香取慎吾,岸井ゆきの,井之脇海,中田青渚,小篠恵奈,松岡依都美,
田村健太郎,森下能幸,的場浩司,眞島秀和,浅田美代子,余貴美子他
109シネマズ箕面にて。
客は私ともうひとり。エグゼクティブシートの右端と左端に座る。
ホームセンターの副店長を務める田村裕次郎(香取慎吾)。
客としてやってきた日和(岸井ゆきの)と縁あって結婚、4年目になる。
自分たちが仲睦まじい夫婦であると信じ切っていた裕次郎。
ある日、職場の蓑山(余貴美子)から“旦那デスノート”なる掲示板の存在を知らされ、
部下の若槻(井之脇海)と最初は笑いながら眺めていたのに、
この書き込みはまさに俺のこと、書いているのは日和だと気づき……。
残念ながら、SMAP時代の魅力が慎吾ちゃんにはありません。
家事は一切せずに体を鍛えることに凝っている夫という設定ですが、
なんか普通に太っている中年オヤジ。
日和には流産した過去があり、そのときの裕次郎の態度が許しがたいもの。
以降、心が離れて鬱屈した思いを抱えているのに、裕次郎はまったく気づいていません。
終盤に登場する裕次郎の母親(浅田美代子)がまた最悪。
でも脇役陣は魅力的です。
ホームセンターに配送にやってくる女性役の松岡依都美。
役名もわかっているけれど、ネタバレになってしまうので伏せておきます(笑)。
余貴美子がよかったのは言うまでもなく。
本人役で登場するきたろうは、ホームセンターで買い物をします。
「これは海外では認められていないよ。撤去しないと」と、
ある除草剤を手に取って言うシーンがあります。
これ、絶対ラウンドアップですよね。市井監督、やるじゃん。
女性が何人も集まって旦那の愚痴を大声で言い合う姿は、
旦那にいくら文句があれど、見ていて気持ちのいいものではありません。
だから、実は夫が病床にいる蓑山の台詞、
「文句を言えるのは当たり前のことじゃない」というのは心に響きました。