『レッドシューズ』
監督:雑賀俊朗
出演:朝比奈彩,市原隼人,佐々木希,森崎ウィン,観月ありさ,松下由樹他
なんばパークスシネマにて、前述の『少女は卒業しない』とハシゴしました。
レッドシューズって、赤い靴。
赤い靴と聞けば必然的に思い出す、それを履いて踊り出したら止まらないバレリーナの話。
本作はバレリーナではなくて女性ボクサーの話です。
彼女の試合を観戦した仁志(森崎ウィン)と知り合って結婚するが、仁志は病で他界。
シングルマザーのボクサーとしてまだ幼い娘のエミ(野田あかり)を育てている。
自身かつてはチャンピオンだった谷川拓巳(市原隼人)のジムに所属しているが、
保育園の送迎にスーパーでのパートにトレーニングと多忙すぎる日々。
金がないからエミにろくに食事を取らせてやることもできず、
心配する仁志の母親・葉子(松下由樹)と養育権をめぐって争う事態に。
真名美のいちばんの理解者は、拓巳の妹で弁護士の由佳(佐々木希)。
なんとか真名美の養育権を勝ち取ろうと奔走する。
老人介護施設に勤めはじめた真名美だったが、
女性職員を触ろうとする入居者・佃(せんだみつお)を突き飛ばしたせいで、留置所に入れられてしまう。
その間に葉子がエミを引き取ることに。
真名美は半年以内にチャンピオンになってエミを迎えに行くと誓い……。
雑賀俊朗監督は北九州市の出身で、オール北九州市ロケらしい。
北九州市のご当地ムービー的なところがありそうで、応援する人が多いのでしょう、
映画レビューサイトでの評価がやたらめったら高い。
おそらく、北九州市よりもボクシングに興味のある人が観ると、
こんなに打たれた傷が翌日すっかり治っているなんて信じられんと思うから、
そこですでにリアリティなしだと感じてしまいそうです。
そりゃもう『ケイコ 目を澄ませて』のほうがずっとリアル。
「シングルマザーボクサー」と連呼されるのも少々興ざめです。
確かに凄いことだけど、そんなに強調されてもと思ってしまう。
しかし、市原隼人がカッコイイ。『ボックス!』(2010)のときの彼を思い出しますねぇ。
朝比奈彩単独でよりも、市原隼人とのトレーニングシーンが嬉しい。
これを見られたらそれでいっかという気になりました。
松下由樹がすごくおばちゃん化していたのにはたまげる。
トレンディドラマで意地悪な妹役をしていた頃などが懐かしいなぁ。
『鬼ガール!!』(2020)を観たときと似た気分。
ご当地ムービーはこれでいいんだと思います。