『猿の惑星/キングダム』(原題:Kingdom of the Planet of the Apes)
監督:ウェス・ボール
出演:オーウェン・ティーグ,フレイヤ・アーラン,ケヴィン・デュランド,ピーター・メイコン,
トラヴィス・ジェフリー,リディア・ペッカム,ニール・サンディランズ,ウィリアム・H・メイシー他
実家の片付けの合間を縫ってイオンシネマ茨木にて、2本ハシゴの1本目。
オリジナルの『猿の惑星』が初めて公開されたのは1968年のことだそうです。
以来、「続」だとか「新」だとかが付いて映像化されつづけているわけですが、
私がちゃんと観はじめたのはリブート版の『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011)からでしょうね。
『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014)、『猿の惑星:聖戦(グレート・ウォー)』(2017)の3部作の後、
新シリーズの第1弾として製作されたのが本作。
前作から300年後の地球というのが本作の舞台で、すっかり猿たちが支配する世界となっています。
監督は“メイズ・ランナー”シリーズのウェス・ボール。
文明を築き上げた猿たち。イーグル族は鷹狩りをするチンパンジー。
そのイーグル族の長老夫婦の間に生まれたノアは、次代を担うリーダーとして期待されている。
幼なじみで親友のスーナやアナヤと共に、成人の儀式を迎える準備中。
儀式には鷲の卵が必要とされ、ノアは断崖絶壁の上にある巣からみごと卵を奪う。
ところが、夜中に食糧を求めて忍び込んだらしい人間を捕まえようとしたさいに、卵が割れてしまう。
卵がなければ儀式は無理。腹を立てて盗人を追いかけるノア。
そのとき、ボノボ(=ピグミーチンパンジー)の武装集団がやってきたことに気づく。
慌てて自分の村へと戻るも、プロキシマスという暴君率いる軍に襲撃されて村は焼き払われる。
目覚めると一帯は焼け野原。仲間は誰も残っていない。
家族と仲間を取り戻すため、ひとり旅立つノアは、途中オランウータンのラカに出会う。
ラカもノア同様にプロキシマスに襲われて仲間を失ったらしく、一緒に行動を開始。
すると、卵を割ったあの人間がまた食糧を求めて近づいてくるではないか。
敵意をむき出しにするノアに対し、ラカは思いやりが大切だと説き、人間に食べ物を与える。
何も話そうとしない彼女のことを、ノアとラカは言葉を知らないのだと決めつけていたが、
人間が野生化するなかで彼女は実はとても賢い女性で、名前はメイ。
プロキシマスのねぐらを知っているという彼女と手を組み、そこへ向かい……。
これまでのシリーズを観たことがなくてもついて行けると思います。
賢い人間を生かしておいて、自分も賢くなるべくいろいろと教えさせるプロキシマス。
ほとんどの人間が殺されるなか、教師として重宝される生活は悪くない。
そんなふうにプロキシマスのもと軟禁状態で暮らしているトレヴァサン役にウィリアム・H・メイシー。
メイ役のフレイヤ・アーランはまだ22歳、初めて見る女優です。長編映画の出演は初の模様。
いつのまにか猿と人間の立場が逆転していて、昔は人間が猿より上だったと知らないノア。
人間がつくった施設に忍び込み、動物園の絵本を見たときの衝撃。
こんなものを描いていた人間を信じていいものかどうか迷います。
ラカから聞いたシーザーの話。人間に育てられた猿で、猿と人間の共生を望んでいた偉大な人物。
その伝説がねじまげて伝えられ、独裁者プロキシマスが君臨しています。
プロキシマスがいかに残虐な猿でも、何百匹もいる猿が一緒に襲いかかれば倒せるやろと思っていました。
なのに足がすくむのは、暴力による洗脳がいかに恐ろしいかということでしょう。
ノアと皆が立ち上がるシーンはちょっと感動的。
しかし、いったいいつまで続くのか、このシリーズ。(^^;