『パストライブス/再会』(原題:Past Lives)
監督:セリーヌ・ソン
出演:グレタ・リー,ユ・テオ,ジョン・マガロ他
イオンシネマ茨木にて、『コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話』の次に。
監督は韓国系カナダ人のセリーヌ・ソン。
本作は長編デビュー作ながら、各国の250近い映画賞でノミネートされたうち、3分の1ほど受賞。
なんとも凄いことなのでしょうが、私にはその凄さがよくわかりませんでした。(^^;
ソウルで同じ小学校に通う少女ナヨンと少年ヘソン。
成績の1番と2番を常に競うふたりは互いに恋心を抱く両想い同士。
しかしナヨンは一家でカナダへ移住することになり、離れ離れに。
12年後、ニューヨークで一人暮らしをしていたナヨンは、
映画関係の仕事に就く父親のSNSにヘソンが書き込んでいることに気づく。
ヘソンは「幼馴染のナヨンを探している」と書いているではないか。
懐かしさからヘソンにメッセージを送るナヨン。
初恋の相手からのまさかの連絡に喜びを隠せないヘソン。
聞けば、ずっとナヨンを探していたらしいが、
今は英語名のノラを名乗るナヨンにたどり着くことができなかったのだ。
ニューヨークとソウル、スカイプで会話を楽しむふたりだったが、
時差もあったりしてもどかしく、お互い別の人とつきあうように。
さらに12年後、小学校時代の別れから24年が経過。
36歳になったナヨンは、作家のアーサーと結婚してグリーンカードを手に入れ、
劇作家として充実した毎日を送っていた。
ところが、ナヨンへの想いを断ち切れないヘソンがニューヨークへやってきて……。
24年後の再会。設定は素敵です。
会えばやっぱり初恋の相手だと思う。
けれど、すっかりアメリカに馴染んでいる彼女と比較して、
ニューヨークまでやってきた彼は、とても「韓国人」。
アーサーの大人の対応が素晴らしいから、そこが余計に際立つ。
英語もたどたどしいヘソンが頑張る姿はちょっと痛々しさすら感じます。
と書いていて気づきましたが、たぶん私がそこまで良い作品だと思えなかったのは、
主演のふたりがあまりタイプでなくて、観ていて楽しくなかったせいだと思っていたのですが、
たぶん本作を観ているとつらい気持ちになるのでしょうね。
時が流れていることを認められずに生きてきて、彼女と会ってそれを認めざるを得なくなる。
アーサーが善人なだけに、文句のひとつも言えなくて。
帰国の途につくヘソンの表情を思い返すと寂しい。
これも「縁」。