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『ハウス・オブ・グッチ』

2022年01月25日 | 映画(は行)
『ハウス・オブ・グッチ』(原題:House of Gucci)
監督:リドリー・スコット
出演:レディー・ガガ,アダム・ドライヴァー,アル・パチーノ,ジャレッド・レトー,ジェレミー・アイアンズ,
   ジャック・ヒューストン,サルマ・ハエック,カミーユ・コッタン,リーヴ・カーニー他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
リドリー・スコット監督は今年85歳。
リドリーの弟トニー・スコット監督はちょうど10年前、68歳のときに自殺してしまいましたが、
兄は今なお映画を撮り続けています。
 
私はやっぱりアダム・ドライヴァーの顔が苦手なんですが、アメリカ人はこの顔が好きなんですかね。
役者として素晴らしいことは認めます。
リドリーも気に入っているのでしょう、『最後の決闘裁判』(2021)に続いて彼を起用。
どこが男前なんだかと思いながらも、これだけいろんな作品で彼を見ていたら見慣れてきた感(笑)。
 
原作はサラ・ゲイ フォーデンのノンフィクション。
暗殺事件まで起きた高級ブランド“グッチ”のお家騒動を描いています。
ちなみに私はこんなことがあったとは全然知らず、ただただ驚く。
リドリーは2000年代の初めには映像化の権利を取得していたそうですが、
これだけ人の絡んだ「良くない」話となると大変だったでしょうね。
 
パトリツィア・レッジャーニは父親フェルナンドが経営する運送会社の事務員。
恋人に誘われて出かけたパーティーでたまたま言葉を交わした相手が、
あのグッチ創業者の孫マウリツィオ・グッチだと知り、興奮する。
 
なんとしてでもこの出会いをモノにしなくては。
パトリツィアはマウリツィオと偶然を装って会い、デートに誘われるように仕向ける。
すっかり彼女の虜になったマウリツィオは、父親ロドルフォに彼女を紹介。
 
ロドルフォはパトリツィアを魅力的な女性だと認めつつ、金目当てだと断言。
父子は対立し、マウリツィオは家を飛び出してパトリツィアのもとへ。
フェルナンドの運送会社で働きはじめ、ほかの従業員にも家族にも馴染む。
 
やがてパトリツィアとマウリツィオは結婚するが、新郎側の参列者はほとんどなし。
この結婚を新聞で知ったマウリツィオの伯父アルドは、
弟であるロドルフォのもとを訪ね、優秀な息子マウリツィオと和解すべきと説く。
ロドルフォが受け入れようとしないものだから、
アルドはマウリツィオとパトリツィアに直接連絡。以来交流が始まるのだが……。
 
パトリツィアにレディー・ガガ、マウリツィオにアダム・ドライヴァー。
このふたりの演技が素晴らしい。特にレディー・ガガ、凄い。
病人メイクを施されたロドルフォ役のジェレミー・アイアンズは、それにしたって顔色悪すぎて死神みたい。
アルド役のアル・パチーノはいつもの彼です(笑)。
アルドの馬鹿息子パオロ役のジャレッド・レトーの禿げメイクは私の最も苦手とするところで、
わざわざこのメイクをするならば、もともとハゲの人を起用してほしいんですけど。(^^;
 
実際のパトリツィアは野心に燃える実にしたたかな女性だったようです。
本作中の彼女もそうではあるのですが、最後はちょっと気の毒なぐらい。
なんだかんだで彼女の言うとおりに動いて成功したかに見えたマウリツィオなのに、
そうなってからは彼女を拒絶、まるで卑しいものを見るかのようで、
頭はいいけど世間知らずのボンボンだと思っていたら阿呆だった。
 
この映画のことを「どうだった?」と聞かれると答えに困ります。
すごく良い映画だったとか、逆につまらない映画だったとかいうことはありません。
でも、史実を知ることができた以上の面白さがあったかというと、そうでもない。
華やかな邸宅やホテル、ファッションを見るだけでも楽しいというには物足りないし。
 
そりゃまぁ、今や経営者に同族はひとりもいないグッチとしては本作は良いでしょう。
でも創業者一族にとっては面白くない作品でしょうね。ご愁傷様です。

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