雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

7月の消費者物価は2.4%の上昇

2022-08-19 19:07:50 | 日々これ好日

      『 7月の消費者物価は2.4%の上昇 』

    7月も 消費者物価は2%以上上昇し
    4月以降連続で 2%以上が定着してきた感じ 
    2%以上の物価上昇を 経済対策の中心に据えてきた方々は
    目標達成と 大いばりなのでしょうねぇ
    それにしては 何の恩恵も感じられないような気がするのは
    貧乏人の ひがみでしょうか
    まさか 『この上昇は よくない上昇だ』などとご高説を展開し
    『次は5%の物価上昇を目指す』と 大見得を切るのではないでしょうねぇ

                       ☆☆☆
      

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

都の辰巳

2022-08-19 08:00:41 | 古今和歌集の歌人たち

      『 都の辰巳 』

   わが庵は 都の辰巳 しかぞ住む
          世をうぢ山と 人はいふなり

             作者  喜撰法師

( 巻第十八 雑歌下  NO.983 )
          わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ
                   よをうぢやまと ひとはいふなり


* 歌意は、「 私の庵は 都の東南に当たる そこで このように穏やかに過ごしている しかし その宇治山を 「世を憂し」と世を厭う人が入る山だと 人々は言っているそうです 」といったような意味で、法師らしい淡々とした歌なのでしょう。
なお、「しかぞすむ」は「然ぞすむ」で、「このように過ごしていますよ」といった意味です。
ただ、私は、「しかぞすむ」を、ずっと「鹿ぞ住む」だと思っていました。その後、学ぶ機会があって唖然としたのですが、今も、「鹿ぞ住む」の方が優れていると思っていて、「鹿が住んでいるような のどかな宇治山を 世間の人は『憂し山』と言うのですよ」と受け取ってしまうのです。専門家の方からはお叱りを受けるかも知れませんが。

* 作者の喜撰法師には、伝承らしいものは皆無です。謎多き人物というより、個人的には、その存在さえ疑問を感じています。
もちろん、生没年は不詳ですが、平安時代初期の真言宗の僧であったというのが、ほぼ定説のようです。山城国の乙訓郡(宇治市あたり)の生まれで、出家後醍醐山に入り、後に宇治山に隠棲したとされています。そうだとすれば、この歌は、その時期に詠まれたということになります。
そして、やがて仙人に変じたということですから、どこまで信用するかは、難しいところです。

* 喜撰法師の歌は、この歌の他には、玉葉和歌集にある、
 『 木の間より 見ゆるは谷の 蛍かも いさりに海人の 海へ行くかも 』
との二首だけです。この二首だけで歌風など論じるには無理がありますが、比較的平易で分かりやすい歌のように感じます。
古今和歌集の仮名序には、後に六歌仙と呼ばれることになる歌人の一人に、紀貫之は喜撰法師は加えており、「ことばかすかにして、はじめをわりたしかならず、いはば 秋の月を見るに暁の雲にあへるがごとし。詠める歌 多くきこえねば、かれこれをかよはしてよく知らず」と評しています。
その程度のことなら、わざわざ六人の中に加えなくてもよいのに、と思ってしまうのですが、この歌には何とも捨て難い魅力があるということかもしれません。

* 喜撰法師の出自について、桓武天皇の末裔などというのもあるらしいですが、とても根拠のあるものとは思われません。さらに、紀貫之の変名だというのもあるらしいですが、もし当時にそのような噂があったとすれば、少々たちが悪すぎるような気もします。
いずれにしましても、掲題の和歌は、小倉百人一首にも入っていることもあって、現代の私たちには大変馴染み深い古歌の一つになっています。
この作者については、あまり消息などを追わないで、「もしかすると仙人になったのかもしれない法師」の歌だと考えたいと思うのです。

     ☆   ☆   ☆ 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする