マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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野垣内春日若宮社秋祭

2007年11月16日 07時56分10秒 | 大和郡山市へ
秋祭りはどことも賑やかで派手派手しい。

祭りといえば太鼓に笛の音に荒御輿に激しく動き回る祭り衆がイメージされているが、静かに参拝者を待っているだけの祭りもある。

大和郡山市野垣内町に鎮座する春日若宮社の秋祭りもそのひとつに数えられる。

野垣内町内は市内中央の郡山城跡外堀の外側にある。

豊臣秀長が没後、増田長盛が外堀を普請した。

その後、時の郡山城主本多政勝時代に武家屋敷不足を補うため外堀を東方へ付け替えられ町は村ごと外堀外に移転された。

また、明治22年には大日本紡績郡山工場が建設されることになり同神社も移設されている。

同神社を司る座筋は旧村の17軒。

左右両座があったが現在の宮座は年中行事を10人衆で営まれ、歳の順に神主は一年交替で担っている。

病などで欠席される座衆。

今後、祭事を続けていくことは困難な状況になってきているとこぼされる長老。

そんななかでも提灯を掲げて神さんを奉ることは忘れていない。

参拝者には銅製でできたL型の脚付き酒杓器でお神酒を注がれるのだが、訪れる人も少なくなり太鼓やシャンポコと称する鉦も鳴らない秋祭りの夜になった。

両口の酒杓器は「長柄の銚子」と称され三人官女の一人が持っているもので、祭典に使われるのは珍しいと後日に知人から教わった。

(H19.10.12 Kiss Digtal N撮影)