マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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平尾水分神社オンダ祭

2008年03月03日 07時17分33秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
月明かりに照らされた参道を進んでいくと大宇陀区平尾の水分神社に到着する。

とんど焚き火が点けられると火から離れられない。

甘酒の振る舞い接待に身体も心も温まる。

今夜は、特設舞台で行われるお田植え祭。

おんだ祭に先立って、氏子らは三社大明神神殿前で年始めの五穀豊穣を暗闇の中で祈ります。

おんだ祭の主役は大当と小当と呼ばれる一年交代の神主に初乙女(ショトメ)と呼ばれる早乙女の男児。

本来なら全員小学生といきたいところだが、なかには高校生も参加している。

少子化の影響で、参加要請せざるを得ない状況になったとこぼされる氏子たち。

宵の直会を終えるといよいよ出番。

初乙女らは氏子におぶられて登場する。

大当は三社大明神を讃え、目出たい言葉が連なる祝い詞の「鍬初め」を高らかに詠みあげる。

鍬を振り上げ「掛初」「苗代角打」の儀。

次に柄を扇子で三回叩きながら「吉事はこの当所へしっとしっとしっと 悪い事は西の海へずう」っと拍子をとる「苗代しめ」。

「まこよまこよ 福の種をまこよ」と、籾種をぱーっと蒔く「福の種」の儀。

台詞、拍子などおんだの所作は江戸時代頃の古い言葉を現在まで伝えているものでたいへん貴重なもの。

それゆえ県の無形民俗文化財に指定されている。

種蒔きを終えると一旦休息のときで間食(けんずい)の時間。

小当が抱きかかえる黒い翁面の若宮さんが登場する。

患部に当てれば病い平癒するというまじないのコヨリを求めて若宮さんに行列が並ぶ。

「芋つむぎ」「春田打」「鳥追い」を謡い、お田植え祭はいよいよ佳境を向かえる。

「若い初乙女をしともみもんだれば」と謡う苗取りに続いて田主を先頭に初乙女は苗(萱の茎に榊を挟んだもの)と笠を持って舞台をぐるりと一周。

苗と笠を持ち換えて、「若い初乙女をしともみもんだれば」と謡いながら今度は逆方向に一周しながら「御田植」「追苗取」で幕を閉じる。

(H20. 1.18 Kiss Digtal N撮影)